キャンピングカー 気ままな旅 楽しみ方 ユーザーに聞く【しずおかアウトドアファン】
好きな時に、好きな場所へ行き、寝泊まりする。そんな気ままな旅を楽しめ、アウトドアとの相性も良いキャンピングカーが人気だ。新型コロナウイルス禍で「密」を避けたレジャーが好まれたのも一因。どんな楽しみ方をしているのか、ユーザーに聞いた。
軽キャンパー コンパクト、普段使いも
ＲＶパークを使って軽キャンパーの旅を楽しむ平嶋さん夫妻＝静岡市清水区のトライアルパーク蒲原（画像の一部を加工しています）
静岡市清水区の富士川河口近くにある「トライアルパーク蒲原」。６月初めの日曜日の夕方、南伊豆町の平嶋裕二さん（４７）、望美さん（５１）夫妻のキャンピングカーが到着した。受付で手続きを済ませ、車中泊ができるように整備された駐車スペース「ＲＶパーク」に移動。飼い犬と一緒に、のんびりとした時間を過ごした。
夫妻はペンションを経営している。約５年前、軽ワゴン車をベースにした軽キャンピングカー（軽キャンパー）を初めて購入した。裕二さんは「ペットがいるし、特に災害時には便利だと考えた。旅行を思い立った時に、宿を予約しなくても行けるのがいい」と話す。出先では積んだ水を使えるほか、バッテリーに加えて太陽光発電の設備から車内に電気を供給できる。ルーフを上げると車内の空間が広がり、大人２人が横になって休める。
乗っている車両の利点はコンパクト性。「軽自動車なので小回りが利く。普通の車と同じように乗れる上に、キャンピングカーというプラスの要素がある」と裕二さん。この日は静岡市内でのイベントに参加した帰り。「明日の朝は１０時ごろ出発かな。買い物をしてから帰ります」。オートキャンプ場に泊まるなどしつつ四国まで足を延ばした経験もあり、自由な旅を楽しめることに、魅力を感じている。 キャブコン 車体後部に快適居室
バンの後部に居住空間があるキャブコンに乗る岩井昭二さん（手前）＝静岡市駿河区（画像の一部を加工しています）
静岡市駿河区の会社員岩井昭二さん（５９）も、仕事の休みにキャンピングカーの旅を楽しんでいる。バンの後部に居室を設置したキャブコンバージョン（キャブコン）に乗り、飼い犬を連れて家族で出かけるのが常だ。「夜中に出発して、休みたくなったらすぐ休めるのがいい」と話す。
「昔から憧れていた」というキャンピングカー。現在乗っているのは２台目。高額な買い物だったが、旅館などの宿泊費がかからないことを考えると、気にはならない。
北海道や東北地方などを巡り、それまで気付かなかった“田舎”の良さを知った。「地元の人に『飯を食っていけよ』なんて誘われることもあった。何より人の良さに触れられるのがいい」。遠方から訪れたと周囲にも分かる、キャンピングカーの旅ならではの楽しみを実感している。 多種多様 実車８０台勢ぞろい
県内販売会社もオリジナル車両 静岡で展示イベント ３、４の両日に静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開かれた「ふじのくにキャンピングカー＆アウトドアショー」（実行委員会主催）。キャンピングカーの実車を展示・紹介する県内最大級の催しには、さまざまな種類の８０台が勢ぞろいした。
富士ひのきを使った内装が特徴の三島ダイハツの車両＝４日、静岡市駿河区のツインメッセ
県内の販売会社もオリジナルの車両を出展した。三島ダイハツ（長泉町）は、自社開発の軽キャンパー「クオッカワナビー」を紹介。パネルバンがベースで、居室内は富士山麓周辺産の富士ヒノキを使った「木の空間」が広がる。内村靖代表取締役社長（５７）は「キャンピングカーはコロナ下で需要が増え、手軽に楽しめる軽も伸びている」と話す。購入する際は、実際に使う人数、装備、快適性など、何を重視するかが選択のヒントになるという。
静岡トヨタ自動車のバンコンに乗り込み、装備を確かめる来場者＝静岡市駿河区のツインメッセ静岡
静岡トヨタ自動車（静岡市駿河区）は、トイファクトリー（岐阜県可児市）と共同開発した「ルミリエ」をアピール。外観は人気ワゴン車のハイエースと大きく変わらないが、車内はテーブルやベッドが設置できる。担当する袋井インター店の森裕計さん（４９）は「５０代以上で、キャンピングカーに初めて乗る人に人気がある。気ままにあちこちに行くことを楽しむ人が多い」と話す。
一口にキャンピングカーと言っても多種多様だ。２００万円台の軽キャンパーから、ワゴン車などがベースのバンコンバージョン（バンコン）、数千万円のフルコンバージョン（フルコン）まで、選択の幅は広い。業界団体の日本ＲＶ協会（横浜市）のまとめによると、２０２２年生産の国産キャンピングカー（新車）８７４２台のうち４割近くをバンコンのタイプが占めた。ショーの会場では、定番のキャブコンや、けん引が必要なトレーラー型も関心を集めた。
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