静岡とタイ劇作家共作 台風15号きっかけ 22日、御殿場でトークと写真展

 静岡県とタイの劇作家が、昨夏静岡市に甚大な被害を及ぼした台風15号をきっかけに、水をテーマにした戯曲の共同制作に取り組んでいる。今月中旬にはタイの制作チームが初来日し、出演者の地元である県東部周辺を調査。7月中旬からタイ北部のダーンサーイで開催するアートフェスティバルで上演する。

「青」にちなむ場所を巡った日タイの制作チーム=清水町の柿田川
「青」にちなむ場所を巡った日タイの制作チーム=清水町の柿田川

 タイの「プラユーン・フォー・アート財団」が2021年に開始した演劇プロジェクトの一環で、台風15号を経験した静岡市の劇作家石神夏希さん(42)と、タイの劇作家・作家ナッタモン・プレームサムランさん(29)が共作する。石神さんの17年の戯曲「青に会う」の舞台をタイに移し、ナッタモンさんが新たに脚本を執筆する。ナッタモンさんは「洪水はタイでも身近な問題。若者の青春や人生の変化と、川や水のうねりを重ねて描きたい」と意気込む。
 新作はタイの街中で7日間上演し、旅人役の日本人がタイの人々や生活に出会うさまを「演劇」として繰り広げる。キャラクターの人柄を掘り下げようと、両国の制作チームは昨秋タイを調査した。今月中旬からは、主演の写真家鈴木竜一朗さん(38)=御殿場市=が、清水町の柿田川など県東部の青色にちなむ場所を案内した。鈴木さんは「ダーンサーイと御殿場が作品を通じてつながればうれしい。お互いの町に思いをはせる交流のきっかけになれば」と話した。
 22日には同市のゴテンバアパートメントストアで3人のトークイベントと鈴木さんの写真展を開く。午後3時~4時半。入場無料。

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