「三保の水族館」まだ見学できる 5月からネット予約 東海大海洋科学博物館

 累計来館者数1900万人以上―。31日で有料入館が終了する静岡市清水区三保の東海大海洋科学博物館は1970年の開館以来、県内外の多くの人々に愛されてきた。施設の老朽化のため有料入館の終了を決めたが、完全閉館ではなく、人気の海洋水槽を含む海洋科学博物館1階は5月から、指定の開館日程に沿ってインターネット予約の上で無料で見学を受け入れていく。

有料入館終了を前に長い列ができるチケット売り場=26日午後2時ごろ、静岡市清水区三保の東海大海洋科学博物館
有料入館終了を前に長い列ができるチケット売り場=26日午後2時ごろ、静岡市清水区三保の東海大海洋科学博物館
有料入館終了後も予約の上で見学可能な海洋水槽をはじめとした1階水族館部門=26日午後2時ごろ、静岡市清水区三保の東海大海洋科学博物館
有料入館終了後も予約の上で見学可能な海洋水槽をはじめとした1階水族館部門=26日午後2時ごろ、静岡市清水区三保の東海大海洋科学博物館
有料入館終了を前に長い列ができるチケット売り場=26日午後2時ごろ、静岡市清水区三保の東海大海洋科学博物館
有料入館終了後も予約の上で見学可能な海洋水槽をはじめとした1階水族館部門=26日午後2時ごろ、静岡市清水区三保の東海大海洋科学博物館

 海洋科学博物館を含む東海大海洋学部博物館敷地内には、恐竜の全身骨格の展示が人気を集める自然史博物館もあり、それぞれ海の博物館、恐竜の博物館として親しまれてきた。2022年6月に有料入館終了を発表した後は「来場者が前年比で倍以上になった」と同館の担当者は話す。3月下旬の日曜も、チケット売り場には家族連れで長い列ができた。
 公開を継続する海洋科学博物館の1階水族館部門の目玉は水量約600立方メートルを誇る大水槽「海洋水槽」。日本初となるクロマグロの陸上飼育の舞台にもなり、現在は約50種1千以上の魚が泳ぐ様を楽しめる。自然史博物館は閉館するが、海洋科学博物館2階の科学博物館部門の展示物と合わせて一部は移転を検討中という。
 無料公開の予約は学校施設と個人が可能。4月上旬から予約サイトの運用開始も準備中という。海洋科学博物館の担当者は「エリアは限るけれども、魚をぜひ見に来てほしい」と話した。
 (清水支局・マコーリー碧水)

思い出惜しむ声続々
 東海大海洋科学博物館、自然史博物館にまつわるエピソードを募集したところ「小学生の時に遠足で行き、私の子どもたちも遠足で訪れ、夏休みには親子でも行った」(菊川市・60代男性)など、世代を超えて思い出や惜しむ声が寄せられた。
 本社「NEXT特捜隊」のLINE(ライン)の会員をはじめインターネットを通じて13~19日まで募集し81人から回答があった。
 海洋科学博物館の代名詞的存在だった海洋水槽には「初めて訪れた際に度肝を抜かれた」(富士市・60代男性)、「孫が大好きなエイを一緒に追いかけて10周くらい回った」(静岡市清水区・60代女性)など、たくさんの思い出が集まった。「波の仕組み(を学ぶ装置)や、海洋生物の特徴を持つロボットが面白かった」(静岡市駿河区・50代女性)など、海への理解を深める展示も好評だった。
 自然史博物館については「ナウマンゾウや恐竜の骨格が近くで見られビックリ」(焼津市・50代女性)、「息子が初めて、恐竜に出合ったところ」(湖西市・40代)など、懐かしむ声が目立った。
 (デジタル編集部・安達美佑)

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