在来作物でスイーツ 「オクシズ」のソバ、キビ 学生考案、静岡のレストランが試作品

 静岡県立農林環境専門職大(磐田市)の学生が、静岡市の中山間地「オクシズ」の在来作物であるソバやキビなどを活用したスイーツ作りに取り組んでいる。このほど、プロの調理人による試作品が完成し、試食会を同市駿河区で開いた。

在来作物を使ったスイーツを試作した小泉さん(中央)から解説を受ける農林環境専門職大の学生たち=静岡市駿河区
在来作物を使ったスイーツを試作した小泉さん(中央)から解説を受ける農林環境専門職大の学生たち=静岡市駿河区

 同大で在来作物学を受講する学生25人が昨年4月から、商品やレシピなどのアイデアを考案。スイーツ作りは同市駿河区のフレンチレストラン「セラヴィ」(鈴木啓介オーナー)に依頼した。
 試食会には、同大の丹羽康夫准教授と3年生4人が参加した。試作を担当した同店の小泉江理子さん(49)から、同市葵区井川地区の在来種ソバ、キビ、アワ、赤石豆を使った「そばのスノーボール」「きびのシフォンケーキ」「雑穀のシートブレット」「赤石豆のビスコッティ」の4品について説明を受けた。
 「どれも個性の強い素材なので、良さを生かす調理法を考えた」と小泉さん。ビスコッティを提案していた同大の長岡桃子さん(21)は「豆の風味も強く柔らかい食感。とてもおいしい」と喜んだ。
 「すぐに提供できそうなものもある。早速、メニューに加えられたら」と鈴木オーナー。丹羽准教授は「在来作物が受け継いできた栽培地の歴史や文化を残さなければいけないことを学生たちに知ってほしかった」と取り組みの意義を語った。

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