ふじのくに⇆せかい演劇祭 中韓仏の5作品上演 GW、静岡市で

 静岡県舞台芸術センター(SPAC)は20日、静岡市内でゴールデンウイークに開催する「ふじのくに⇆せかい演劇祭2023」の概要を発表した。本県が中国、韓国の3都市とともに「東アジア文化都市」に選ばれたことを受け、両国をはじめ海外の演劇、ダンスなど計5作品を静岡芸術劇場(同市駿河区)と県舞台芸術公園(同)で上演する。

「アインシュタインの夢」の一場面(提供写真)
「アインシュタインの夢」の一場面(提供写真)

 日程は4月29日から5月7日。世界の話題作がいずれも日本初演となる。静岡芸術劇場では中国の実験的な演劇「アインシュタインの夢」(孟京輝さん演出)、韓国の若者社会を描く演劇「XXLレオタードとアナスイの手鏡」、韓国のダンス「Dancing Grandmothers~グランマと踊る」の公演がある。
 野外劇場がある県舞台芸術公園では2作品を上演。SPACとつながりが深いフランスからは注目作「ハムレット(どうしても!)」(オリヴィエ・ピィさん演出)を招く。韓国の音楽劇「パンソリ群唱~済州島 神の歌~」も上演する。
 世界の優れた舞台芸術作品を紹介する同演劇祭は毎年、ゴールデンウイークに合わせて開催。今年は東アジア文化都市の選定都市間の文化交流を進め、舞台芸術を発信する契機にする。上演日程やチケット販売などの詳細は今後、発表する。

野外芸術フェスタも静岡、浜松で同時開催 SPAC宮城総監督、都市間交流深化を期待
 ゴールデンウイークには、野外で作品上演する恒例の「ふじのくに野外芸術フェスタ2023」も静岡市と浜松市で開かれ、SPACは宮城聰芸術総監督演出の「天守物語」を再演する。例年会場となる駿府城公園(静岡市葵区)に加え、一般公演として初めて浜松市中区の浜松城公園にも舞台を特設して演じる。
 泉鏡花作の「天守物語」は戦国時代の城を舞台にした物語。浜松城公園には城の復興天守閣があり、宮城総監督は「『城』に関係する演目でリアルな場所の力を生かせる」と狙いを話す。
 東アジア文化都市の春の式典に合わせた上演で、静岡市で4公演、浜松市で2公演を予定する。
 宮城総監督は両市にゆかりが深い徳川家康について「平和をもたらした存在で、東アジア文化都市の思想と相性が良い」とし、「都市間の交流を進めていけば、国の間のハードルを乗り越えられる」と期待する。

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