不適切保育 園に特別監査、静岡県と裾野市 市長、週明けにも刑事告発

 裾野市の私立さくら保育園で、園児の足をつかみ宙づりにするなど保育士による虐待の疑いがある行為が繰り返されていた問題で、県と市は3日、児童福祉法などに基づき、園に特別監査を実施した。村田悠市長は終了後に記者会見し、犯人隠避の疑いで桜井利彦園長を週明けにも裾野署に刑事告発する意向を示した。

特別監査に入る県や市の職員ら=3日午前10時ごろ、裾野市のさくら保育園
特別監査に入る県や市の職員ら=3日午前10時ごろ、裾野市のさくら保育園

 県などは今後、関連資料を精査するとともに、全保護者へのアンケートや保育士と園関係者の聞き取りを重ね、園児の被害状況など実態解明を進める。
 県は児童福祉法に違反する事案など監査で問題が明らかになった場合、改善勧告を行う考えを明らかにした。虐待について県福祉指導課の小池美也子課長は「報道が事実であれば虐待。県は事実を確認していない。改めて聞き取りを通して確認したい」と述べた。
 特別監査は午前10時から約5時間にわたって県と市の職員11人が園に立ち入り、任意で資料の提供を受けたり桜井園長らから経緯を聞いたりした。子どもの様子を記録した児童票や昨年度以降の保健日誌、勤務表など今年4月以降の雇用関係が分かる資料の複製提出を求めた。
 小池課長は「被害に遭った多くの園児が1歳児のため直接話を聞くことができない。結果公表まで2カ月以上はかかる」との見通しを示した。不適切な指導に関わった保育士3人への聞き取りも園の協力を得て行う考えを明らかにした。
 村田市長は「虐待行為を口外しないよう求める誓約書を職員に書かせるなどし、不信感を抱いている」と述べ、市長として告発する考えを示した。

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