園長 土下座で告発止める 保育士、4歳児にもカッター 裾野

 裾野市の私立さくら保育園で1歳児に対する保育士の暴力や暴言が繰り返されていた問題で、運営する社会福祉法人桜愛会(同市)は1日、保護者向けの説明会を同園で開いた。出席者によると、一連の行為を告発しようとした同僚の保育士に桜井利彦園長が土下座をして告発しないように頼んでいたことを園側が認めたという。

さくら保育園
さくら保育園

 市によると、1歳児のクラスでは6月から8月上旬ごろにかけ、複数の園児に対して「宙づりにする」「頭や顔をたたく」「ズボンを無理やり下ろす」「カッターナイフを見せて脅す」などの行為が繰り返されていた。受け持ちだったいずれも30代の女性保育士3人が関与していた。
 同僚の保育士は園長の頼みを断り、8月中旬に市に通報したとみられる。園は市の行政指導を受け、3人を1歳児の担当から外し、処分するなどの是正にようやく乗り出した。
 説明会の出席者によると、一部の保育士が4歳児にもカッターナイフをちらつかせていたことも園は認めた。3人とも説明会には出席しなかったが、園は3人の実名を明らかにしたという。1人は「謝りたいとの意志を示している」とし、別の1人とは「連絡が取れない状況になっている」と説明した。
 3人のうち、正規職員と派遣職員の2人は11月末で退職した。残り1人の臨時職員は9月末に退職したため、一連の行為に関与したとされる全員が辞めたことになる。園によると、派遣職員は関与が比較的少なかったという。
 

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