熱海土石流 大量地下水で盛り土軟化が原因 静岡県検証委結論、近く最終報告書

 熱海市伊豆山の土石流で、盛り土崩落の発生原因を調べる静岡県の検証委員会は8日、最終会合を開き、崩落のメカニズムについて、締め固めが不十分な盛り土内部に大量の地下水が流入し、軟化して大災害につながったと結論付けた。県は近く最終報告書としてまとめる。県の難波喬司理事は、適切な工法で盛り土を造成していれば崩落が防げたかどうか県が検証する必要があるとの認識を示した。

地下水による盛り土崩落のイメージ図
地下水による盛り土崩落のイメージ図

 検証結果によると、逢初(あいぞめ)川源頭部には、地山の上に水を通しやすい「渓流堆積物」がある。ここに周辺流域を含めて地下浸透した水が集まり、堆積物の上に積まれた盛り土に浸透した。水圧で土がどろどろになる「吸水軟化現象」が発生し、盛り土全体の重さに耐えられなくなって崩落したとした。
 最終会合後の記者会見で、検証委委員の小高猛司名城大教授(地盤工学)は「大規模崩落が起きた理由は説明できたと考える」と評価した。
 ただ、県は当初、土石流が何度も時間差で発生したことや、土石流の波によって泥の性状が異なった要因を解明する必要性を示していたが、明らかになっていない。難波理事は「源頭部で起きたことを推定するために必要と考えたが、その目的は達成できた」と説明した。
 遺族らは、盛り土の危険性を認識していながら適切な対応を取らなかったとして、県と熱海市を相手取り損害賠償請求を起こした。難波理事は、盛り土の施工の在り方と崩落の関連性について「県は被告だが、適切な工法であれば災害は回避可能だったかどうか、検証する必要がある」と述べた。

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