原子力規制委次期委員長 浜岡原発視察「厳正な審査が必要」

 原子力規制委員会次期委員長の山中伸介委員が29日、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)を初めて視察した。山中氏は地元から新規制基準適合性確認審査の迅速化を求める声が上がっていることに対し、「東京電力福島第1原発事故の教訓を考えると地震、津波に関しては極めて厳正な審査をする必要がある」と述べ、特に浜岡など審査が長期化している原発は今後も慎重に取り組む考えを示した。

中部電力浜岡原発の高さ22メートルの防潮堤を視察する原子力規制委員会の山中伸介委員(右)=29日午前、御前崎市佐倉
中部電力浜岡原発の高さ22メートルの防潮堤を視察する原子力規制委員会の山中伸介委員(右)=29日午前、御前崎市佐倉
呉竹中部電力浜岡原発敷地内の断層を視察する原子力規制委員会の山中伸介委員(右)=29日午後0時10分ごろ、御前崎市佐倉
呉竹中部電力浜岡原発敷地内の断層を視察する原子力規制委員会の山中伸介委員(右)=29日午後0時10分ごろ、御前崎市佐倉
中部電力浜岡原発の高さ22メートルの防潮堤を視察する原子力規制委員会の山中伸介委員(右)=29日午前、御前崎市佐倉
呉竹中部電力浜岡原発敷地内の断層を視察する原子力規制委員会の山中伸介委員(右)=29日午後0時10分ごろ、御前崎市佐倉

 浜岡原発は4号機が審査申請から8年半、3号機は7年2カ月が経過している。山中氏は「厳正な審査を変えるつもりはない」とした一方、地震や津波の評価が直接影響しないプラント施設との並行審査など、効率化に向けた工夫は「当然しないといけない」と語った。
 同日は高さ22メートルの防潮堤や地上に露出した断層、4号機原子炉建屋のベント設備などを視察した。中電は7月の審査会合で防潮堤を上回る22・7メートルの想定最大津波高を示している。山中氏はかさ上げなどの対策の必要性について「中電がどういう提案をするかが審査の出発点になる」として言及を避けた。
 中電の伊原一郎専務は「新規制基準に合致した対応をしていく」と述べた。

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