政権激震 安倍元首相死去、静岡県内の国会議員悲しみや怒り

 安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃されて死亡したことを受け、安倍氏をよく知る静岡県内の国会議員は8日、与野党を超えて一様に深い悲しみに包まれ、犯行に強い怒りを表明した。
 自民党安倍派の会長代理として安倍氏を支えた塩谷立氏(衆院比例東海)は、参院選応援で滞在中だった兵庫県から安倍氏が搬送された奈良県の病院に駆けつけ、状況を見守った。事務所を通じ「何とか一命を取りとめてもらいたいと祈るばかりだったが、逝去の報に接することとなり無念でならない」と談話を発表した。「たぐいまれな政治力を発揮する偉大な政治家だった」と安倍氏の功績を高く評価し「今回の暴挙は決して許されない」と非難した。
 安倍内閣で法相を務めた上川陽子氏(衆院静岡1区)も北海道から急きょ東京に戻り、党本部で幹部と対応を協議した。報道陣の取材に応じる党4役の傍らで終始、悲痛な表情を浮かべた。
 安倍氏に近いことで知られる城内実氏(衆院静岡7区)は銃撃直後、三島市で取材に「とにかく祈るしかない」と述べたが、願いは届かなかった。夕方には党本部で高市早苗政調会長と面会。「互いに言葉が出なかった」と、目を腫らしながら明かした。
 野党からも悼む声が相次いだ。立憲民主党の渡辺周氏(衆院比例東海)は「安倍氏は政治姿勢の違う政敵だったが、拉致問題には共に取り組み、予算委員会で何度も論戦を重ねた」としのんだ。国民民主党の榛葉賀津也氏(参院静岡選挙区)は哀悼の意を表し「言論の自由を暴力で封殺せんとする所業は、民主主義の根幹を揺るがす許しがたい蛮行だ」と憤った。
 (東京支社・関本豪、青木功太)

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