世界初 マーガレット×ローダンセマム 新品種開発に成功

 静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センター(東伊豆町)は30日、同じキク科のマーガレットとローダンセマムを交配した新品種の開発に成功したと発表した。同センターによると、この2種の交配は世界初。「ビジューマム」と命名され、県産の花卉(かき)ブランドの強化の一助として期待される。

ピンク色が特徴のビジューマムローズクオーツ 赤色が印象的なビジューマムガーネット
ピンク色が特徴のビジューマムローズクオーツ 赤色が印象的なビジューマムガーネット

 フランス語で宝石の意の「ビジュー」と、キク科の愛称「マム」を合わせた造語から名付けられた。新品種は「ローズクオーツ」と「ガーネット」の2種類で、ともに1~6月に開花する。ローズクオーツはピンク色で半八重咲き、ガーネットは赤色で一重咲きの花をつけ、コンパクトで鉢植えや花壇での栽培に適しているという。
 ローダンセマムの耐寒性を受け継ぎ、県内の平地であれば栽培に暖房は不要。近年は燃料価格の高騰で、低温で栽培可能な新品種の開発が望まれていたといい、同センターの勝岡弘幸主任研究員(35)は「無加温栽培できるのは社会情勢に沿った大きなメリット。静岡にしかない新たな花としてPRしていきたい」と強調する。
 農林水産省の審査を経て、3年ほどで品種登録される見込み。現在は試験栽培中で、県内マーガレットの主産地の県東部で2022年度中にも生産が始まるという。

 

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