静岡ホビーショー開幕 田宮俊作氏に聞く 静岡模型教材協組理事長

 国内最大級の模型メーカーの見本市「静岡ホビーショー」が11日、開幕した。新型コロナウイルス禍で過去2年は中止・規模縮小したが、3年ぶりに一般公開日と小中高校生招待日を設ける。模型の趣味を持つファンや業者同士の再会の場と位置付け、プラモデル出荷額で国内シェア8割を誇る「模型の世界首都・静岡」をアピールする。

田宮俊作氏
田宮俊作氏


 -フルメニュー開催に至った経緯を。
 「昨年の閉幕直後から、今年は完全な形式で実施すると決めていた。中止や縮小は簡単だが、収穫は得られない。来場者を地域ごとに分散し、同時入場数を減らすなどの感染対策を徹底したことで、昨年も大きな問題は起きなかった。主催者の組合が業界をリードし、誰もが喜ぶホビーショーを実現させる」
 -周囲の反応は。
 「本来の規模で開催できなかった過去2年は悔しい思いをした。小中学校や高校ではコロナの影響で多くの行事が中止されたため、(招待日の開催決定で)子どもたちが喜んでくれていると聞く。自分の手で作品を完成させる感動を味わってほしい。消費者の意見を直接聞くことができるため、メーカーや問屋も歓迎している」
 -市場の現状は。
 「コロナ下の巣ごもり需要で追い風が吹いていたが、円安やエネルギー価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻が重なり、先行きは見通せない。模型の原料であるプラスチック価格も徐々に上昇していくだろう。この状況は誰もが未経験で、有効な対策は誰も知らない。状況の打破に向け、現在は情報収集に努めている」
 -業界をどう活性化させるか。
 「模型初心者を大切に育てていく。コロナ下で初めて模型作りに取り組む人が増えているが、分からないことも多いはず。故障や不具合を含めた問い合わせに誠実に対応し、購入後も長く遊んでもらえる仕組みを構築することで、ファンを根付かせることが重要だ」

 たみや・しゅんさく 早稲田大法学部卒。1958年田宮商事入社。84年にタミヤ社長、2008年会長。17年から会長兼社長。1994年に組合理事長に就任。静岡市出身。87歳。

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