(文・写真/論説委員・橋爪充)
松島誠さんは世界的なダンスシアター「パパ・タラフマラ」のメインパフォーマーとして活躍し、20カ国以上で上演実績がある。「松島家」は掛川市北部の山間地を拠点に活動する「原泉アートプロジェクト」(羽鳥祐子代表)ではおなじみだ。同プロジェクトが主催する秋の芸術祭「原泉アートデイズ!」などで何度となく滞在制作を行ってきた。野外上演のイメージが強い「松島家」だが、今回はかつての製茶工場が“舞台”である。
「かなり雰囲気がある場所で、いわゆる劇場のブラックボックスとかギャラリーのホワイトボックスのようなものとは違う空間。何にもなしでもいいんですが、僕らの舞台は廃物を使うことが多いので、今回もそれを利用して美術のセットを作っています」(松島誠さん。以下、同)
タイトルに掲げた『MAGNET HILL』は、人間に本来的に備わっているはずの「磁覚」を意識したもの。
「日々の生活の中で人と人が引き合う力、反発する力。それを第六感のようなものに置き換え、動きを作ってみました。家族というのは最小単位の社会だから、そこをどう平和にするかということをいつも考えています。一方で、大きな世界も俯瞰で見ている。ミクロとマクロの世界を行ったり来たりしながら、作っていきました」
背景には利便性と引き換えに身体性を失いかねない現代社会へのまなざしがあるという。
「便利になればなるほど、 AIが進化すればするほど、昔の人たちができていたことができなくなっているような気がする。便利になることで失われるものは常にあるように思います。テクノロジーを否定はしませんが、声にしろ皮膚感覚にしろ身体感覚にしろ、どうやって取り戻しながら生きていくのかが自分の中では重要で。これからの世の中でもキーポイントなんじゃないかな」
当日は松島礼さんのソロパフォーマンス、誠さんのソロパフォーマンスに続いて「松島家」として登場する。総計1時間ほどを予定する。
「ここ原泉でできたものを、見たまま受け止めてもらえばいい。僕らはこの空間に家族の詩を書いていこうと思っています。その詩を読んで、詩を見て、感じたものをそのまま持ち帰ってもらえれば」
活動開始当時小学1年生だった花さんは今年の4月から6年生。パフォーマーであり、演出家でもある誠さんは、6年目に至るまでの時間を冷静に見つめる。
「1、2年目は、自分とは年齢が違うさまざまなアーティストに出会って、話をしたり一緒に絵を描いたりすることが単純に楽しくてここに来ていたようなところがあったようです。ただ、大きくなってくると『自分の時間』もほしくなる。こちらとしては、そこでどうクオリティーを出していくかというのが難しい。無理やりやらせるつもりはありません。だから、いつまでこの形でやれるのかはわからない。僕は『これで最後かもしれない』といつも思って作品を作っている」
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■松島家『MAGNET HILL』
会場:旧原泉第2製茶工場(掛川市萩間702)
上演日時:4月4日(土)、5日(日)各日午後3時開場、3時半開演
観覧料:一般大人 3000円、学生(中・高・大)1500円、小学生以下無料、障害者手帳保有者1500円
※チケット入手は専用サイト(https://magnethill2026.peatix.com)で






































































