2024年11月からSBS(静岡放送)で月1回放送している「冠ザコシの冠冠大冠」。
番組の企画・構成を手掛け、自らも出演するハリウッドザコシショウが、番組開始1年の節目となる放送でゲストに迎えたのは、元・相方の静岡茶っぱでした 。
(文:プロデューサー増田)

2人は高校の同級生。高校卒業後の1992年、吉本興業の養成所・吉本総合芸能学院(NSC)に進み、お笑いコンビ「G★MENS」(ジーメンス)を結成。
NSC卒業後は、関西の劇場やテレビのネタ番組に出演するなど、目の肥えたお笑い好きからも一目置かれる存在でしたが、2002年、静岡茶っぱの芸人引退によってコンビは解散しました。

G★MENS解散から23年、静岡茶っぱに「冠ザコシ」への出演をダメ元でオファーしたところ、二つ返事でOK。
スタッフも「いまはサラリーマンとして働く茶っぱさんがなぜ…」と不思議に思っていましたが、その理由はロケの中で知ることになります。

今回の企画はG★MENSが一夜限りの再結成を果たし、2人の地元・静岡市清水区を街ブラするという内容。
ちなみに、コンビ時代にテレビロケの経験はなく、G★MENSとしては今回が初の街ブラでした。
2人が出会った清水工業高校(現・科学技術高校)跡地では、コンビ結成の秘話が語られました。

それぞれにお笑い芸人への憧れを抱いていたザコシショウと静岡茶っぱ。
高校1年時、共通の友人から「あいつも芸人になりたいと言ってたよ」と聞いた事をきっかけに、静岡茶っぱがザコシを誘い、コンビが結成されます。
当時、静岡茶っぱは「私がネタを書きますので、ヒゲちゃん(ザコシのあだ名)は大船に乗ったつもりでいてください」と強気でしたが、一度もネタを書くことはなかったそうです。

ロケでは、2人の思い出の地・清水駅前銀座商店街をめぐったり、清水港で水揚げされた海鮮料理でG★MENS初の食レポがお披露目されたりしました。
スタッフが驚かされたのは、芸人引退から20年以上が経過したとは思えない、静岡茶っぱの“反応”の速さです。
ロケにはザコシ率いるハリウッド軍団の後輩・チャーミングじろうちゃんとゆっくんちゃんも参加し、ザコシの指示で面白くなる「スーパーマリオタイム」が展開されましたが、静岡茶っぱのリアクションの速さには2人も舌を巻くほど。

高校時代から、コンビを先導するザコシのフリに応え続けてきた静岡茶っぱの反応は、まさに“身体に染み付いている”といった様子で、番組内では「初代レジェンドマリオ」と評されました。
静岡茶っぱから“現役マリオ”の2人には「ヒゲちゃんが言ったことを脳に通しちゃダメ。脳を通さずにそのままやった方がいい」という独特のアドバイスが送られました。

番組のハイライトは、高校生以来となる、ザコシの実家近くの公園でのネタ合わせと、スタジオでのネタ披露。


公園でのネタ合わせは、わずか15分でしたが、静岡茶っぱが「体が覚えてる。染み付いちまってる」と振り返ったとおり、G★MENSの2人は20年以上前に作ったショートコント3本を現役さながらに完璧に披露しました。

ネタ披露を終え、ザコシが「(茶っぱが)ここまでガンガンに動けるとは思わなかった。ほんとダメ元で誘ったんだけど…ありがとうね」と御礼を言うと、静岡茶っぱが、仕事を休んでまで今回のロケに参加した理由を語り出しました。
「まじめなことはあまり言いたくありませんけども、私がですね、(芸人を)辞める時にですね、ヒゲちゃんは覚えてないかもしれないけど、『お前が辞めて一般人になっても、俺が売れて必ずお前を番組に呼ぶからな』って言わはったんです」

「20年前に言っていたことが叶ったんだと思ったらすごく感慨深くて…色々と調整してでも、絶対に(番組に)行きたいと思った」
この日進行役を務めた、だーりんず・小田からは、ロケの合間に静岡茶っぱと交わしたエピソードが語られました。

「シショウがR-1(グランプリ)で優勝した時、茶っぱさんは『感動した』と。シショウが優勝するってことは『G★MENSが面白かった、あの時の自分たちが面白かったってことが証明されたことにもなるから』と」
だーりんず・小田は、M-1王者となった錦鯉の渡辺とかつてコンビを組んでいただけに、静岡茶っぱの話に思うところがあったのかもしれません。

友達でも家族でもない不思議な関係…相方とは何なのか?G★MENSの23年越しの再結成に、思わず考えさせられました。






































































