その番組の企画・構成を手掛け、自らも出演するハリウッドザコシショウが、記念すべき初回ゲストに迎えたのは、お笑いコンビ・中川家でした 。
(文:プロデューサーM)

3人は吉本興業の養成所・吉本総合芸能学院(NSC)の同期。
ジャッキー・チェン映画のモノマネや往年の吉本芸人など、若者にはまったく伝わらないモノマネをお互いに披露し、盛り上がりました。
その中で頻繁に飛び交った「バカチコ」という謎の言葉が気になった視聴者も多いのではないでしょうか 。

ザコシショウが「眠たくなってきちゃったぁ……」でお馴染みの誇張しすぎた福山雅治から「バカチコ、バカチコ、バカチコ…」と連呼。
これに対して、中川家・礼二が「もういいよ、それ(バカチコ)は! (スタッフに)数えてもらえ!きょう、何回言ってるか」とツッコミ。
テロップで『ここまでの収録中の「バカチコ」23回目』というフォローが表示される一幕もありました 。

56分間に及んだ「ザコシ×中川家」の収録 。
編集前のマザーテープを確認したところ、3人が「バカチコ」と発した回数は、54回に達していました。つまり、約1分間に1回のペースで「バカチコ」という言葉が飛び交っていたことになります。
内訳は、ザコシショウが34回、中川家・礼二が18回、中川家・剛が2回 でした。

番組スタッフは「バカチコ」「バカチコ 意味」「バカチコとは」といったキーワードでインターネット検索を試みましたが、有力な情報は見つかりませんでした 。
そこで、打ち合わせの場でザコシショウ本人に「バカチコ」の意味を直接尋ねてみました。
スタッフ:バカチコってどんな意味ですか?
ザコシ:意味というか、木人拳(ジャッキーチェン主演映画・少林寺 木人拳)の和尚が(弟子が犯した)ミスの責任を取って、自分の目を突く時の声のマネです
スタッフ:そんなセリフじゃなかった気がするんですが…誰が「バカチコ」と言い出したんですか?
ザコシ:…礼二かな。静岡からNSCに入って友達もいない頃、中川家と知り合って「俺、ジャッキー・チェン映画好きなんだよね」と言ったら、2人が「俺も好き!」と
番組内でも語られましたが、約30年前、劇場が近かったザコシショウの自宅には、中川家・礼二やケンドーコバヤシが毎日のように集まっていたそうです 。
そこでは、夜な夜な“モノマネ合戦”が繰り広げられ、「バカチコ」はその中で生まれたといいます。

ザコシ:礼二は飽きっぽくて。ウケたモノマネも、2度同じ事はやらない。どんどん誇張するんです。礼二だけじゃなく、ウチに集まってくる同期たちみんながそんな感じだから、原形がなくなっちゃう
スタッフ:バカチコと言ったのは礼二さんという事でいいですか?
ザコシ:…どうだろう。ジャッキー・チェン映画は、みんな学生時代に観た曖昧な記憶でモノマネしてるから、一度集まってビデオで検証したことがあるんです。そしたら「全然言ってねえじゃねえか!」って(笑)
スタッフ:結論を出すのは難しそうですね
ザコシ:もしかしたら自分が言い出したのかも…
結局、「バカチコ」の意味も、生みの親も分からずじまい。

しかし、収録中に「バカチコ!」と繰り返すザコシショウと中川家は、本当に楽しそうでした。
その瞬間だけは、“売れっ子”を目指していた30年前に戻っていたのかもしれません。