J2藤枝MYFCは11月9日、アウェーでジェフユナイテッド千葉と対戦し1―1で引き分けました。試合前は自動降格圏まで勝ち点差は5と、厳しい状況だった中で貴重な勝ち点1をつかみました。18位レノファ山口FCに、同じ静岡県勢のジュビロ磐田が逆転勝ちしてくれたことも非常に大きく、残り2戦で勝ち点差は6に。今季のホーム最終戦となる次節はサガン鳥栖との対戦。サポーターに勝利を届け、残留を確定させようとチームの士気は高まっています。須藤大輔監督が試合を振り返りました。
―総括を。
今節は割り切って戦おうと。やりたいことをやらせてあげられず、選手たちには申し訳ない気持ちがありましたが、状況を鑑みて今の最適解を出そうと臨みました。まずは守備から入りましょうと。攻撃もビルドアップは正直やりたかったのですが、封印して相手の嫌がることをやり、勝ち点3までいければという大人のサッカーをするのが今回のプランです。セットプレーからの得点もプラン通りです。しっかりとコーチングスタッフが分析した通りの結果で、選手も応えてくれました。
アンラッキーな形でPKを与えてしまい、少しへこたれてしまうのかとも思いましたが、選手たちはそこをはねのけて戦いました。もちろん勝ち点3を狙っていましたが、この状況を作り出してしまったのは自分たちなので、やりたいことをやるために、今やるべきことを遂行する。その任務をしたのかなと思います。選手が最後の最後まで戦ったことはサポーターにも届き、試合後もあれだけの声援を私たちにくれました。それが全てを物語っているのかなと思います。次はホームでできます。ただ、まだ何も成していないということを考えていきたい。守備もこれだけできるということが証明されましたので、守備プラス攻撃の部分を、相手との帳尻を合わせながら準備していきたいです。

―理想と現実の間で難しい試合だと思うが、同じ方向を向いて戦うことができたのでは。
われわれは攻撃的なエンターテインメントサッカーをしましょうという目標があります。そしてそのような選手をスカウティングし、集まってもらっています。その選手がこれほどまでに愚直に、守備に徹する。周囲からはプライドがないのか、ぶれているんじゃないかと言われかねないです。でも自分たちに矢印を向けて「そんなことはいい。状況は変わるんだ」と(いう思いでいる)。
シーズン前であれば問題ないです。いつも通りの戦いでいい。でも今の状況を考えて、一つの戦い方に固執してJ3に落ちてしまったら何も残らない。やりたいことができずに終わってしまう。今は我慢するときだということで今回は統一意識、プレー統一をテーマに掲げました。選手たちはやってくれました。本当は前に行きたい。でも今回の試合は違う。その分守備に徹し、3バックはゼロで終わる任務がありました。その部分をしっかりクリアしました。プライドが先行することなく最後まで戦い抜いた選手、スタッフをたたえたいです。極論を言うと勝ちたかった。だからこそ、そこを反省材料として次節以降は守備と攻撃の部分をもう一度統一していきたいです。

―ここ最近は思うようなサッカーができない状況だったと思うが、上位の千葉を相手に勝ち点を得られたことは残り2戦に向けて大きい。
守備のマインド面での成果は非常にあったと思います。ただ、ビルドアップは皆無に等しかった。そこはもう少しできるような状況で戦わせてやりたかったのですが、振り切って守備に奔走したのかなと。クラブの成長として考えると、やはりビルドアップは今後も挑戦していきたい。でも今はクラブの成長のために残留するというのが大命題なので、そのバランスを考えて戦っていきたいです。今回の千葉との戦いでいうと、最低限の勝ち点1を得られたことはクラブとしても大きかったです。評価と課題をしっかり見て、次の鳥栖戦に向かいたいと思います。

































































