清水エスパルス、スタッフ研修会に反町康治GMが登壇「FC東京のように、15歳の選手がトップチームの試合に出るようにならなければ」


清水エスパルスは4月30日、スタッフを対象にした研修会を開きました。登壇したのは反町康治ゼネラルマネジャー(GM)で、参加したのはアカデミーコーチや強化部スタッフら約40人。メディアにも一部を公開し、「指導者に求められる資質」などをテーマにクラブの方針を示しました。研修会を開くのは反町GMが就任した昨年5月1日以降、3回目です。

冒頭、反町GMが事例を挙げたのは前日のトップチームのFC東京戦。登録メンバー20人のうち、ホームグロウン選手がFC東京が半数の10人だったのに対し、清水は北川航也選手のみでした。けが人などの事情はありますが、「これが全てではないけれども、育成型クラブをうたっている。皆さんには努力してもらいたい」と呼びかけました。

昨年、ユースはプレミアリーグ昇格参入戦1回戦で敗れ、復帰はかないませんでした。結果主義ではないことを強調した上で、反町GMは「やっぱり1試合でも多く高いレベルでやってほしい。そのために、あと1歩2歩届かなかったことが、何が起因しているのかの答えを出す1年にしてほしい」と求めました。

イギリスで昔から言われている、「コーチ(COACH)」の頭文字をとった指導者に求められる資質も紹介しました。

C(Comprehension 理解力)― 一人ひとりの力量を理解するカ
O(Outlook 前途の見通し)― 今後の展望と見通しを把握する力
A(Affection 愛情)― 愛情をもって指導すること
C(Character 人間性)― 愛されるキャラクター
H(Humor ユーモア)― ユーモアのセンス

Oの事例として、柏レイソルのMF熊坂光希選手がユース時代に大けがで試合に絡めず、トップ昇格もかなわなかったものの、アカデミー時代の恩師から「20歳を超えてから伸びる」と言われたことを忘れずに大卒でプロ入りしたことに触れ、「どういう形で選手が伸びていくかを把握する力も指導者には必要」と指摘しました。

研修会後の一問一答

―開催の狙いは。
「指導者は自分のチームだけだと視野がどんどん狭くなっていく。視野を広げるという意味で大事な機会。FC東京は15歳の選手がトップチームの試合に出ている。そういう風にならなければいけない」

―頻度は。
「昨年7月に一度やって、10月にフィードバックのような形でどう指導しているのか、それぞれのカテゴリーでプレゼンしてもらった。みんな向上心がある」

―今後は。
「夏にやろうと思っている。FCバルセロナのアカデミーで10年指導していた人を招こうかと考えている。ラミン・ヤマルやガビとかを育てた人」

―GM就任から丸1年。アカデミーをはじめ、変化は出てきているか。
「すぐに結果が出るようなものではないので長い目で見ないといけない。アカデミーのサッカー自体は少し変わってきている。トップチームが大きな崩れはない。ただ、FC東京や横浜F・マリノスがああなっているのを見ると反面教師として捉えなければいけない。いつそうなるか分からない。けが人が多いのは問題。戦力として足りないところも見えている」
シズサカ シズサカ

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