人気の相次ぐ死に…市長も危機感 どうなる日本平動物園 オランウータン、ゾウ、シロサイ、キリン、ライオンも 10年余で2割減=静岡市

静岡市の日本平動物園で人気動物の死が続いています。3月7日には、ボルネオオランウータンの「ジュリー」が天国へと旅立ち、オランウータンはついに1頭だけになりました。動物園の顔の相次ぐ死に市のトップも気をもんでいます。

<静岡市 難波喬司市長>
「私もですね(ジュリーの死は)大変驚きましたけども、大変悲しんでおります」

3月13日に行われた静岡市長の定例会見。難波市長は、市内唯一の動物園の現状に懸念を示しました。そのワケは。

<動物園を訪れた子ども>
「悲しい、めっちゃ悲しい」
「ちょっとさみしい。(天国で)元気に過ごしていたらいいと思う」

ボルネオオランウータンの「ジュリー」が3月7日、天国へと旅立ちました。ここの動物園で生まれたジュリーはコミュニケーションをとるのが上手で誰からも愛される人気者でした。

<日本平動物園 野田邦洋さん>
「(天国では)ゆっくり穏やかに過ごしていただけたらなと思っております」

<社会部 田島かのん記者>
「日本平動物園のオランウータンはミンピーだけになりました」

<日本平動物園 野田邦洋さん>
「やはりジュリーがいなくなったことは、やはり気づいてると思いますね。ちょっと寂しそうな表情をあの見せる時があります」

日本平動物園では「園の顔」ともいえる人気動物の死がここ数年、続いています。2020年には、当時国内最高齢だったアムールトラの「ナナ」が、その2年後、開園まもないころからいたゾウの「シャンティ」、さらにシロサイの「サイコ」もこの世を去りました。

この翌年には、キリンの「ダイヤ」が死に、ついに、日本平動物園からキリンは一頭もいなくなりました。この10年あまりで2割の動物がいなくなった計算です。なんとか、繁殖させようとライオンを連れてきましたが、パートナーに咬まれて死ぬという悲しい出来事も起きています。

この現状を、難波市長も危機感を募らせています。

<静岡市 難波喬司市長>
「人気の高い動物の飼育展示っていうのは動物園には欠かせない。動物園の営業の問題というよりも、来ていただいたお子様に楽しんでいただくためには、やはり人気の高い動物の飼育展示が必要だと思っています」

しかし、動物の商業的な取り引きを禁止するワシントン条約が大きな壁となり、次を探すことも難しい状況です。

<静岡市 難波喬司市長>
「(動物園として)収益をもっと上げていく努力、魅力を高めるととに収益を上げていくという努力が必要ですので、いろいろ経営改善をしていかないといけないと思っています」

開園から56年。長年、市民に愛されてきた動物園は、いま岐路に立たされています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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