静岡SSUボニータ加入の元なでしこジャパンFW横山久美が伝える“勝負の世界”「嫌われてもいい。頑張りたい人はついてくる」


サッカー女子なでしこリーグ1部は3月15日開幕し、静岡SSUボニータは16日、エコパスタジアムで朝日インテック・ラブリッジ名古屋と対戦します。昨季は7位に終わったボニータでしたが、今季は元女子日本代表FW横山久美選手ら10人を補強し、優勝を目指します。

エースの活躍が期待される注目の横山選手に話を聞きました。

横山久美「最後は恩返しを」

-ボニータに来た理由は。
恩師である(本田美登里)監督がいるというのもそうですし、チームとして上を目指したいっていうことで、求められて来ました。

本当に自分の年齢も年齢なので、選手としてそろそろ終止符を打たないといけない時期だなというのも感じていたので。最後はやっぱり一緒にやりたい人とやりたいなって思いました。恩返しをしたいなっていう思いがあって。

-何歳までやるか決めていますか。
決めてないですね。

-若い選手が多いチームですが、環境などはいかがですか。
本当にみんな素直。経験してきた人があんまりいないっていうのが多分あると思います。

自分とか、小池(快選手)とか、何人かベテランが入ってきたことはチームにとってプラスになるんじゃないかな。プラスにしないといけないなとは思います。

他のチームを経験してない人がやっぱり多いと思うので、外からの刺激っていうものが多分なかったと思いますし。今回いろんな選手が入ってきて、サッカーのレベルとかもみんないろいろ感じていると思います。

-WEリーグのチームに練習試合で勝ったそうですね。
相手がそのとき良くなかっただけであって、自分たちが良かったってわけではないですよ。

-その後の試合はあまり良くなかったそうですが。
WEリーグのチームに勝ったっていうことだけで、舞い上がっていたっていうか、チームとして。今のままだったら(公式戦で)勝てないよっていうことも、ちょうど今日、みんなに話をさせてもらいました。

本当にいい意味で、このチームはみんながみんな、みんなで頑張ろうっていう気持ちがあるので。極端に言えば、すごいエースみたいな感じの選手がいなかった分、みんなで頑張ろうというのがあったのかなっていうのは思いますけど。

ただ、みんな自分にベクトルが向きすぎて、求め合えない。本当は求め合って高めていかないといけないところを「自分がやんなきゃ、自分がやんなきゃ」っていうような感じになっちゃっていて、チームとしてっていうよりは、ある意味、自分に集中していた人たちが多かったり。

チームに長くいる人たちが多いので、仲良くやるという基準もいいけれど、勝負の世界を知らないんだなっていうのはすごく感じていますね。

-横山さんが世界を経験された方なので、そこを改善しようとしているんですか。
そうですね。やっぱり結果の世界なんで、やっぱり結果を出さないと何も言えないですし。普段の練習から自分もやらないといけないと思ってます。

チームの中の1人や2人は、嫌われてもおかしくない。言えば言うほど嫌われるようなものなので。別に嫌われるのも全然いいです。ただ、本当に頑張りたいと思っている人たちは、そういうのって結構ついてきてくれるので。

みんなが、チームが上を目指す以上、上を目指すことが当たり前なんで。それが嫌なんだったら、多分ここじゃないなと。もうチームがこうなるというのは昨年の終わりくらいからも多分聞いてるとは思うので、みんなそういう気持ちがあると思うので、教えることは教えたいなと思ってます。

-そういう気持ちになったのは、何歳ぐらいでしたか。
結構、自分は若いときから、あんまり強いチームというよりかは、弱いチームにいることが多かったので。

-やっていくうちに、そういう気持ちになっていった。
そうですね。元々別に、ビビる性格でもないですし。

-横山さんというネームバリューがあって、ピッチ外でも期待されることがあると思います。その辺りの考えは。
結果を出すことです。まず結果を出さない限り、何も言えないと思っています。とにかくしっかり結果を出さないといけないなと思っています。

-昨年の1部得点王の土屋(佑津季選手)など、周りの選手との連係は。
本当にみんな必死になって頑張ってくれていると思います。自分も合わせるところは合わせたいと思っています。ただ、下のレベルに合わせるつもりはないので、ついてきてほしいなと思ってます。

-本田監督は最近まで、なかなか優勝を目指すとは言わなかったような気がします。
多分、できないことを言うのが嫌な人なので、多分言わなかっただけで、今年は少しはちょっと本田さん的にも期待してもらっていいんじゃないかと思います。

ただ、やるのは選手たちなので、選手たちがどのぐらいやろうという気持ちがあるのかもそうですし、本当に一戦一戦戦って、結果、優勝できたらいいなっていうのも思ってます。

-環境はいかがですか。
(ジュビロ磐田とパートナーシップ契約を結んだといっても)名前がまだジュビロ磐田という感じじゃないので、なかなか知ってくれてる人も少ないと思いますし。自分たちが結果を出すことによって、いろいろ変わってくると思っているので、とにかく昨年よりは良い結果を出さないといけないと思います。

-開幕戦に向けては。
酷い内容になろうと、とにかく勝って終わりたいなと思います。

-新生ボニータが見られそうですね。
もちろん内容も大事なんですけど、やっぱり見てて面白かったって思えるようなサッカーをしたいんですけど、とにかく最初はやっぱり勝たないと波に乗れないと思うので、とにかく勝ちにこだわりたいなと思っています。

-そういう意識をチームに植え付けていくんですね。
そうですね。やらなければいけないことがたくさんあるなと思ってます。キャプテンとかではないんですけど、でもやっぱりベテランとして、やらなきゃいけないのかなとは思います。
シズサカ シズサカ

静岡新聞社編集局運動部がサッカーや野球、バスケットボール、ラグビー、バレーボールなど、さまざまなスポーツの話題をお届けします。紙面では紹介しきれない選手たちの表情や、ちょっとしたこぼれ話をお楽しみに。最新情報は運動部の公式X(旧Twitter)でチェックを!

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