
「変わらなきゃいけない」衆院選一夜明けそれぞれの出発 県内でも野党躍進で自民は4選挙区落とす 専門家「与野党伯仲の状況」【衆議院議員総選挙2024】

10月27日投開票が行われた衆議院議員選挙は、自民・公明の与党が大幅に議席を減らし、過半数を割り込みました。静岡県内でも野党が躍進し、8つの小選挙区のうち、自民は4選挙区を落とす結果となりました。
県内の小選挙区では、自民党が静岡1区、2区、5区、7区で議席を獲得し、立憲民主党が3区、6区、8区で、国民民主党が4区で議席を獲得しました。
また、静岡4区と6区で自民党の候補が、静岡2区で立憲民主党の候補が比例復活しました。また、比例単独で公明党が議席を獲得しました。
前職同士で、県内で唯一与野党一騎打ちとなった静岡4区では、国民民主党の田中健さんが小選挙区で初めて勝利しました。
<有権者>
「これからよろしくお願いします」
<国民民主党 田中健氏>
「お願いします。ありがとうございます」
田中さんは10月28日朝、JR清水駅前で有権者への感謝を伝えました。
ほとんど寝ていないといいますがそれも嬉しい悲鳴です。

<国民民主党 田中健氏>
「小選挙区で勝つんだと、皆さんと一致団結して心一つにやってきましたので、大変その結果を嬉しく思っていますが、地元地域代表ということで、ますます気持ちを新たに引き締めて頑張っていこうと思っています」
国民民主党は今回、公示前の4倍となる28議席を獲得し、大躍進となりました。
<国民民主党 田中健氏>
「玉木代表からは、多くの新人が受かったので、これまで以上に国会での役割を期待しているので、すぐに即戦力としてまた頑張ってほしいと言われました」
その後は、最大の支持母体となった連合静岡を訪れ、2期目の意気込みを語りました。

<連合静岡 角山雅典会長>
「公約でしっかりと掲げたことを選挙が終わって終わりではなくて、これから皆さんの声をしっかりと胸に秘めながら、国会で働く者、生活者の代表としてしっかりとやって頂きたいと思いますのでよろしくお願いします」
一方、小選挙区で敗れ比例復活した深沢陽一さんも街頭に立ちました。
<有権者>
「また応援します。興津のために頑張ってください」
<自由民主党 深沢陽一氏>
「頑張ります。本当にありがとうございます」
地元での活動が足りず反省しているといいますが、2000万円の問題については…

<自由民主党 深沢陽一氏>
「何であんなタイミングに、しかも明らかに私たち候補者が見てもはっきりしない内容でしたので、そこも含めて自民党が変わらなきゃいけない。もう一度皆さんから信頼いただけるように頑張っていきたいと思います」
その後は、静岡1区で当選した上川陽子さんと地元市議のもとを訪れ、支援の感謝を伝えました。
<自民民主党 深沢陽一氏>
「本来であれば小選挙区でしっかりと勝たなければいけないということで、まずはここはどうかお詫びを申し上げます。前を向いてこれからしっかりと歩みたいと思います」
また、8期目を迎えるベテランの上川さんは、自公が過半数を割ったことについて「大変厳しい結果になった」と話します。
<自民民主党 上川陽子氏>
「今の現状を見ますと、これからどのように安定した形で政権の運営ができるのか、これについては相当いろいろ、他党の皆さんとも対話をしながら進めていかないといけない」
沼津市などを選挙区とする静岡6区では立憲民主党の渡辺周さんが10回目の当選を決めました。
<立憲民主党 渡辺周氏>
「おかしなことがいっぱいあって、これを絶対に曖昧にしない。うやむやにしないで皆さん方の良識が今回の民意なんだということを国会の中でしっかり正論を訴えてまいりたい」
一方、渡辺さんに敗れた自民党の勝俣孝明さんは比例復活しました。
<自由民主党 勝俣孝明氏>
「この場所から、きょうはまた、スタートでございます。本当にありがとうございました」
小選挙区での差は、約4100票差。比例で復活した勝俣さんは10月28日朝、沼津の街頭に立ち、5期目への決意を表明しました。
<自由民主党 勝俣孝明氏>
「私自身もですね、大変厳しい選挙でございましたので、改めて全体感としてもですね、自公の過半数割れ、本当に厳しい結果だというふうに捉えました」
勝俣さんは、「政治とカネ」の逆風のなか、自民党が非公認とした候補者側の政党支部に2000万円を支給していた問題が公になってから流れが変わったと選挙を振り返りました。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
ここからは県内の政治に詳しい法政大学大学院の白鳥浩教授と振り返ります。与野党対決の構図が鮮明だった4区と6区は激戦でしたね。
<法政大学大学院 白鳥教授>
非常に僅差、あまり見ないような本当に激戦だったと思いますね。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
改めて、県内8つの選挙区の結果について県政担当の坪内記者です。

<県政キャップ 坪内明美記者>
8つの小選挙区のうち、野党が半分を獲得する結果となりました。
自民党が1区、2区、5区、7区を制しましたが前回からは1減の4議席となりました。一方、立憲民主党が3区、6区、8区で勝利、国民民主党も4区で初勝利しました。4区の田中さんは前回選から3万票以上増やしていて、野党への追い風もありましたし野党一本化という形だったので支援組織の力を集約して戦うことができたのも勝因だと感じます。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
改めて4区と6区、前回自由民主党が取っていた選挙区を野党が取りました。この要因をどう分析されますか。
<法政大学大学院 白鳥教授>
それぞれ戦い方が違ったとは思うんですけれども、4区の場合はやっぱり生活について少し話していく、それがやっぱり有権者にうけた。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
そしてこれで与党4野党4の議席となるわけですけれども、これでパワーバランスは変わってきますでしょうか。
<法政大学大学院 白鳥教授>
その中でやはり与野党伯仲の状況というのが県内でも生まれました。
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA