
1990年代に「ストレンジ」で嗜好(しこう)性の強い音楽を次々紹介する「モンド・ミュージック」シリーズを刊行したGAZETTE4が、「ひとり」をキーワードにレコードをセレクト。
「SWEET」「MILD」「BITTER」という「印象」別に分類された500枚がジャンルや国、年代などお構いなしに並んでいる。まるで、山と積まれたトランプのカードを「ガラガラポン」して並べたようだ。こんなディスクガイドは後にも先にも存在しない。
ビールと音楽は人と人の接点をつくるものだと認識していたが、確かに「ひとり」が似合うレコードは広く、そして多く存在する。音楽への深い洞察力を持ち合わせたGAZETTE4のメンバーのレビューに、目からうろこ、耳からうろこ。
ジョニ・ミッチェル「ブルー」、ザ・サンデイズ「キャント・ビー・シュア」はいかにも「ひとり」が似合う。ベン・ハーパー「ウェルカム・トゥ・ザ・クルーエル・ワールド」、細野晴臣「ホソノ・ハウス」なんかも、言われてみればそうかもしれない。
でも、クラフトワーク「アウトバーン」やレッド・ツェッペリン「聖なる館」は? プリンス「COME」は?? 「ひとり」というワードを与えられた作品を、もう1回聴いてみることにする。きっと聴こえ方が変わっているだろうから。(は)