全国的な米不足の中、期待される2024年の新米にも暑さの影響が出ています。静岡県内の検査場では担当者が米の「高温障害」を確認し、出荷量の減少につながると肩を落としました。
「おむすび結(ゆう)」です。
ほどよい甘みが特徴の米「つや姫」を使い、多い時は1日で200個を売り上げる人気店ですが、全国的な米不足に頭を悩ませています。
<おむすび結 永田裕希子さん>
「今年の分は2割近く値上がりすると聞いている。このあと高くなったら大変。いまはまだ影響ないですけど」
材料費だけでなく、光熱費などさまざまなものが高騰する中、米の価格を心配する日々が続いています。
<おむすび結 永田裕希子さん>
「本来であれば(価格を)上げたいんですけど、皆さんの生活に寄り添ったおむすびという食べ物でありたいので」
全国で問題になっている米不足。静岡市のスーパーでも空の商品棚が目立つ状況です。2023年、記録的な暑さから米が満足に育たなかったことが原因とみられています。
米不足の解消に、期待が高まっているのが2024年の新米です。
浜松市の検査場では暑さの影響で生育が早まり、例年より1週間ほど早く検査の日を迎えましたが、担当者は厳しい表情を見せていました。
<JAとぴあ浜松 営農販売課鈴木一正係長>
「白っぽいかなって印象ありますよね。完全に気温(の高さ)ですよね」
集まった米に見られたのは「高温障害」です。
こちらは『心白粒(しんぱくりゅう)』といい、種子が実る時期に気温が高すぎると起きてしまう症状です。
粒の中心にある白く見える部分は、でんぷんが十分に蓄積されないことでできた空気の隙間です。連日の厳しい暑さによる品質への影響は市場に出回る量に直結します。
<JAとぴあ浜松 営農販売課鈴木一正係長>
「例年よりも生育は早く進んでいるので、今月下旬とかには出回ってくるかと思うんですが、選別して落とされてしまうものの比率が増える分、出回る量は減るのではないかと予想されます。去年以上に暑さがきてますのでなかなか厳しいんじゃないかという心配があります」
あらがえない自然の猛威に頭を悩ます農業の現場。米不足の解消にはまだまだ時間がかかりそうです。