「情報が出たときにどう対応したらいいか あらためて確認を」専門家に聞く 初めて発表「南海トラフ地震臨時情報」
8月8日午後4時43分ごろ、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震があり、気象庁はこの地震に関して、南海トラフ地震臨時情報(調査中)を初めて発表しました。マグニチュード8~9クラスの巨大地震が起きる可能性が高まっていないか、調査が行われています。津波工学が専門の常葉大学阿部郁男副学長に話を聞きました。
Q今回初めて、南海トラフ地震臨時情報が発表されたが、どういう経緯で出たのか?
「想定されている南海トラフで起こる巨大な地震は、激しい揺れや津波が短時間で来るということで、事前に備えることがとても大切になります。その事前に備えてもらうきっかけとなるような情報が、南海トラフ地震臨時情報になるかと思います」
Q今回は震源域でマグニチュード7以上の地震が発生したので、自動的に出された情報と捉えていいのか?
「あらかじめ、どういう条件になったら、『すぐ臨時情報出します』という制度が決められているので、今回その制度に則って、その震源域でマグニチュード7を超えるような地震が起きたので、情報が出されました」
Q今回は、宮崎県内で最大震度6弱が観測されたが、現時点で静岡県内への影響は何か考えられるのか?
「直接な影響はないかと思うがこの後、南海トラフの調査中の情報がどういうふうに変わっていくのかということに気を使っていただき、その情報が出たときにどういう対応したらいいかということを、あらためて確認していただくことが、いま現在、大事なことではないかなと思います。
Q現時点では、今後巨大地震が起きる可能性が高まったというわけではないことを胸に刻むのは大事?
「この仕組みができて初めて、その基準を超えるような地震が起きて、今回臨時情報が出されました。これを一つのきっかけと考えていただき、あらためて地震と津波に対する備えを確認していただき、また、この後出される情報にも少し気をつけていただきたい。その情報が出たら、どういう対応をするのかっていうのを、いま一度、いまこの段階で確認していただければと思います」
Q落ち着いて備えを見直すことが必要だと思うが、具体的にはどういうことをしたらいいのか?
「これはずっと前から言われている話ですけども、地震に対する備え、落ちてこない、倒れてこない、それから津波は短時間で来る場所もたくさんあるので、揺れたときには、いち早く避難してもらう、今回、宮崎県の映像をみると、みなさん高台に避難している様子がうかがえるので、静岡でも、もし大きな揺れを感じたり、揺れを感じてなくても、津波警報、あるいは津波注意報が出るようなことがあったら、それに合わせて、すぐ避難という対応をとっていただくことをあらためて、確認していただきたいと思います」
Q現時点では南海トラフ沿いで観測された地震が、巨大地震に結びつく可能性があるか調査をしているという段階で、場合によっては「巨大地震警戒」や「巨大地震注意」などの情報が出される可能性があるが、現状ではどうか?
「これはわからない。この後の地震活動の状況を見ていただかないと、なかなか判断するのが難しいと思うので、まずは専門機関、気象庁の出す情報を信用していただき、それに従った対応をとっていただくことが必要ではないでしょうか」
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