【「四季のコンサート」の三浦謙司さんリサイタル】鍵盤からふわっと音を立ち上げ

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、3月5日に静岡市葵区の静岡音楽館AOIで開かれたピアニスト三浦謙司さんのリサイタル。1983年から活動を続ける静岡音楽友の会の「四季のコンサート」。

着席後、真下を見据え、膝に手を置き8~10秒。三浦さんの演奏前のルーティンは、異世界への扉を開く時間に等しい。扉の向こうにはいつも、高揚感が待っている。シューマン「子供の情景」、ベートーベン「ピアノソナタ第23番」に続いたショパン「24の前奏曲」は、技巧と邪気、叙情と熱情が不規則に出現する、これまで聴いたことのない演奏だった。鍵盤からふわっと音を立ち上げ、白鍵黒鍵から離れた手で空中で美しい形を作っているような。(は)

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