【ラブライブ!サンシャイン!!の聖地・あわしまマリンパーク】閉館惜しみファン殺到!聖地と呼ばれるゆえんは?長年追い続けた記者が解説します!
(橋爪)今日は沼津市の水族館「あわしまマリンパーク」と施設が立地する淡島の話です。「あわしまマリンパーク」は今年1月、2月12日に営業を終えることを発表しましたが、それ以後、たくさんのお客さんが詰めかけています。反響の大きさを受けて、最終営業日を2月25日に延期しました。
(山田)僕も何回か行ったことがあります。先日のニュースを見て驚きましたが、島に渡るフェリーにものすごい人が乗っていましたね。
(橋爪)このところSBSをはじめ、テレビ各局が中継をしていますよね。私は過去に沼津で4年間勤務していて、「ラブライブ!サンシャイン‼」の聖地として名高いという趣旨で何回も取材したことがありました。
当初は12日が最終日だと聞いていたので、その日に行ってきました。過去に取材した内容を交えつつ、淡島がどういうところかという話を聞いていただければと思います。
(山田)お願いします。
(橋爪)12日はとても多くの来場者がいらっしゃいました。水族館のファンや地元ファンもいらっしゃいましたが、「ラブライブ!サンシャイン‼」のファンが相当数を占めていた印象でした。
(山田)作品の聖地として最後に行っておこうということですね。
(橋爪)自分は静岡市に住んでいるので午前6時半に車で自宅を出て、現地には7時半ごろに着きました。そうしたらもう駐車場はいっぱいでした。
(山田)えー。
(橋爪)せっかく行ったのでそのまま帰るわけにはいかないと思い、沼津市の市街地まで戻って駅の周辺に車を停め、タクシーで行きました。
(山田)すごいですね。
グッズ身につけたファンで長蛇の列
(橋爪)その時点で8時20分ごろになっていたんですが、私の目分量で約800人が列をつくっていました。チケットの発売は9時15分からだったんですが、最終的には1000人ぐらい並んでいました。(山田)1000人も!?
(橋爪)淡島に入るために船に乗るので、その順番待ちにも時間がかかりました。島に入ったのは11時10分ぐらいでした。
(山田)うわー、6時半に家を出たのに!
(橋爪)私は普段は列に並ぶということが苦手なので、おそらく待機時間が過去最長だったと思います。
マリンパークではイルカのショーを見たり、ペンギンの餌やりをしたり、後ほど説明しますが、淡島神社にも行ってきました。
(山田)「ラブライブ!サンシャイン‼」のファンと、閉園を寂しく思う地元ファンとは半々ぐらいでしたか?
(橋爪)私の見たところ、9割方は「ラブライブ!サンシャイン‼」のファンでした。なぜそれが分かるかというと、まあ、沼津市の方なら理解できると思いますが、分かるんですね。
たいていグッズを身に着けています。ジャケット、Tシャツ、デイバッグ…。キャラクターのぬいぐるみを抱えている方もいます。
(山田)分かりやすいですね。
(橋爪)「ラブライブ!」のファンの方はみんな熱心ですからね。この日の2日前の2月10日は、アニメに登場するキャラクター・松浦果南さんの誕生日という設定でした。閉館前ということもあり、3連休は多くのファンが殺到したようです。
(山田)ちなみに、あわしまマリンパークは聖地という位置づけなので、アニメの中にも出てくるわけですよね。
(橋爪)新聞やテレビなどメディア上では「ラブライブ!」の聖地として知られる、という常套句がありますが、なぜ聖地なのか、ということはあまり言っていないと思います。
(山田)どうしてなのか説明してもらえますか。
カエル館とホテルが登場人物の実家のモデルに
(橋爪)そもそも「ラブライブ!サンシャイン‼」のプロジェクトは2015年2月にスタートしました。雑誌やCDなどで先行し、翌年7月にSBSほかでテレビ放送第1期が始まりました。山田さんはどのような物語かご存じですか?(山田)なんかアイドルを目指すという話でしたよね?
(橋爪)おおむね合ってます。この作品は沼津市内の女子高が舞台です。1~3年の各学年3人ずつ、9人がアイドルグループ「Aqours」を結成して、廃校寸前の学校のブランドを高めるため「スクールアイドル」の全国大会「ラブライブ!」を目指す、というのが主な筋書きです。この9人のうちの3年生2人の実家が淡島なんです。
(山田)さっそく出てきましたね、淡島!
(橋爪)1人は先ほど名前を出した松浦果南さん。あわしまマリンパークの「カエル館」が自宅兼ダイビングショップのモデルとして描かれています。
(山田)マリンパークに入ってすぐ目の前にある建物ですね。
(橋爪)もう1人が小原鞠莉さん。淡島にはあわしまマリンパークとは別に淡島ホテルというリゾートホテルがあるんですが、ここが小原鞠莉さんの実家のモデルになっています。かなりのお嬢様で、生徒ながら高校の理事長も兼ねているという設定です。
■物語の舞台としてたびたび登場
(橋爪)人物設定という意味でも淡島は特別な場所ですし、アニメの中でいろいろとドラマを巻き起こすんですが、その舞台の一つでもあります。
個人的によく覚えているのが、淡島の頂上付近に社殿がある淡島神社の階段を「Aqours」結成当初のトレーニングに使っていたことです。階段を走って登ったりしているんですが、それが印象的でした。
(山田)体育会系ですねぇ。
(橋爪)ほかにも、淡島ホテルをモデルにした小原鞠莉さんの家で9人が楽曲づくりを行う場面もありました。
(山田)感動的なシーンなんですか?
(橋爪)いや、これは結局「曲ができませんでした」という話でした(笑)。みんな家で出されたケーキなどの豪華なお菓子に夢中になってしまい、曲をつくるはずが何をしに来たんだっけ?というエピソードになっていました。
(山田)それでも彼女たちが頑張ってトレーニングやレッスンをした場所だから聖地なんですね。
(橋爪)ファンにとっては特別な場所ですね。2023年にはスピンオフの新シリーズ「幻日のヨハネ」が放送されたんですが…。
(山田)伊豆箱根鉄道がラッピング車両を走らせていますよね。
(橋爪)そう言えば、山田さんはこの間乗られたとおっしゃってましたね。その作品の中でも淡島はしょっちゅう出てきます。「ラブライブ!サンシャイン‼」がお好きな方なら、誰でも一つは「淡島名場面」があるんじゃないでしょうか。それほど作品と密接に結びついた場所だからこそ、聖地中の聖地、という認識をされているのです。
(山田)なるほど。だから今、これだけたくさんの人が集まってるわけですね。
聖地の閉館は地元にとっても打撃
(橋爪)あわしまマリンパークが閉まってしまうとなると、観光客が集まるスポットだっただけに地元にとって大きいんですよね。
2月12日の淡島訪問の帰りに、近隣にある、こちらも聖地中の聖地である「三の浦総合案内所」を訪れました。毎月の来訪者数を2014年から数値化しているのですが、2023年度は3万人を超えそうな勢いです。
(山田)3万人!
(橋爪)コロナ禍前の2019年度は6万人を超えていました。その前の年は7万人でした。コロナで全国的に観光地は客足が減りましたが、ここはその時期も4年続けて3万人を超えているんです。プロジェクトがスタートから9年たってもなお、「ラブライブ!」を愛しているファンたちがそこそこの数いると言えそうです。
(山田)当然経済効果も大きいですよね。「三の浦総合案内所」は普通の建物ですよね。
(橋爪)そうですね。本来は観光案内所で、地元の方がいろいろな場所を案内する所だったんですが、今やさまざまなパネルが飾られていて「ラブライブ!」一色になっています。
静岡新聞の記事によると、あわしまマリンパークは、営業再開に向けてオーナー企業を見つける努力をしているようです。沼津市の内浦地区は「ラブライブ!サンシャイン‼」の聖地が点々と存在しており、訪れるファンは「面」としてこのエリアに魅力を感じているようです。その中核が淡島と言えるので、個人的には良い方向に進んでいってくれたらと願っています。
(山田)橋爪さんは本当に「ラブライブ!サンシャイン‼」のファンなんですよね。楽曲も歌えるぐらいだそうですが。
(橋爪)誰から聞いたんですか。えっ、今歌えと?
(山田)もう時間も来ているので、裏で歌っていてください(笑)。
(橋爪)それがいいです(笑)。
(山田)というわけで今日の勉強はこれでおしまい!
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