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テーマ : 新型コロナワクチン

告示前最後の週末、動き対照的な両陣営 川勝氏「個別」に意見交換 岩井氏「広く」街頭や集会【静岡県知事選】

 静岡県知事選(6月3日告示、20日投開票)の告示前最後の週末となった29日、立候補を表明している現職の川勝平太氏(72)と新人で元参院議員の岩井茂樹氏(52)はそれぞれ県内に繰り出し、意気込みをアピールした。ただ、その動きは対照的。選挙戦の争点を意識して大井川流域に暮らす有権者と個別に意見交換した川勝氏に対し、岩井氏は県西部で街頭演説やミニ集会など分刻みのスケジュールをこなし、1人でも多くに自らの訴えを届けようと走り回った。

大井川の水で栽培されたイチゴの農園を視察する川勝平太氏(右)=29日午後、藤枝市
大井川の水で栽培されたイチゴの農園を視察する川勝平太氏(右)=29日午後、藤枝市
街頭演説に集まった聴衆に近寄り、あいさつをする岩井茂樹氏=29日午後、浜松市西区
街頭演説に集まった聴衆に近寄り、あいさつをする岩井茂樹氏=29日午後、浜松市西区
大井川の水で栽培されたイチゴの農園を視察する川勝平太氏(右)=29日午後、藤枝市
街頭演説に集まった聴衆に近寄り、あいさつをする岩井茂樹氏=29日午後、浜松市西区

 公務優先で臨む川勝氏は、実質この日が選挙をにらんだ対外活動の初日になった。リニア中央新幹線工事に伴う水問題が浮上している大井川流域に向かい、地下水を利用する藤枝市のイチゴ農園「ジャパン・ベリー」で生産者の声に耳を傾けた。静岡県の代表する品種「紅ほっぺ」をほおばった後、「最大の争点は水。守らなければならないと改めて覚悟を決めた」と意気込んだ。
 2・6ヘクタールの同農園は4品種を栽培し、1日当たり2万~3万リットルの地下水を使用。元県農業経営士協会長の上山優社長(66)が「混じりけのない地下水で農芸品を作っている」と説明すると、川勝氏は深くうなずいた。
 川勝氏は視察後の取材に、リニア建設を推進してきた国土交通省の元副大臣の岩井氏がルート変更や工事中止を言及したことに関し「原点から軸足を180度変えた」と批判。大井川は水質、生態系、残土の課題もあると指摘し「私はぶれない。踏ん張って守り抜く」と力を込めた。
 対する岩井氏。「静岡県は23日時点で新型コロナウイルスワクチンの接種率が全国ワースト4位。政府は高齢者の人数に合わせ自治体に配布しているのに差が出るのはなぜか。県と市町の連携が取れていないからです」。浜松市西区の街頭でマイクを握り、集まった約70人の前で県のワクチン政策を批判した。
 14日の出馬会見以来、自民党所属の国会議員、県議らとともに県内をくまなく回る岩井氏。この日も浜松、湖西両市で県議主催のミニ集会4カ所に出席し、合間には地元県議、市議らが展開する自民党県連のキャラバン隊とともに街頭に立った。
 これまで現県政批判を抑え気味だった岩井氏も告示を目前に控え、対決姿勢を鮮明にしてきた。浜松市浜北区の街頭では約50人の聴衆を前に「分断の県政」と現体制を批判し、「協力して課題を解決し前に進める新しい静岡県を作りたい。キーワードは連携、対話です」と声をからして訴えた。
 (政治部・市川雄一、鈴木文之)

 

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