静岡工区の対話が約10年を経て完了 年内着工も視野に「早い時期に決断したい」 流域首長は注視する姿勢

約10年、360回の議論に区切り

リニア中央新幹線をめぐり県とJR東海の対話がすべて完了したことを受け、鈴木康友静岡県知事は、早い時期に着工の決断をしたいという考えを示しました。

一方、大井川流域の首長は「ここからが出発点」だとして、行方を見守る姿勢です。

<鈴木康友知事>
「約10年近くかけてですね、360回にも及ぶ議論を重ねてきたということで、それが一定の結論を得たということは本当に意義深いことであった」

27日、報道陣の取材に応じた鈴木知事。県は夢の超特急の建設実現に向け大きな一歩を踏み出しました。

リニア中央新幹線をめぐり県の専門部会は、26日に生物多様性への影響に関してJR東海が示した対策を了承し、県が着工を認める前提としていた28項目の対話がすべて完了しました。

川勝前知事時代の「平行線」から加速へ

品川と名古屋をわずか40分で結ぶリニア計画。しかし、静岡工区をめぐる県とJR東海の議論は長年、平行線をたどってきました。

<川勝平太前静岡県知事>
「とてもではないけど(工事の)GOサインを出せる状況ではない。納得できるものが返ってこない限り、本体工事は取り掛かれない」

そのきっかけとなったのは川勝前知事。「命の水」を守るとして着工を認めない姿勢でした。当時のJR東海のトップが準備工事を直談判するも...。

<川勝前知事>
「仮に水は戻せない。ダメだとなったらどうしますか?」
<金子社長(当時)>
「私はそれは考えにくいと思っています」
<川勝前知事>
「私はあると思っています」


「残念ながら品川ー名古屋間の2027年の開業は実現しない」

静岡工区の着工が見通せないとしてJR東海は当初、目指していた2027年開業を断念。しかし、鈴木知事の就任によりリニアの議論は一気に加速しました。

水資源の補償合意と発生土対策の完了

2026年1月、県とJR東海は工事によって大井川の水資源に影響が出た場合の補償について合意。さらに、工事で出る発生土の置き場についての対話も完了しました。

26日、平木副知事は手続きなどが整えば年内着工の可能性もあるという認識を示しました。

<鈴木康友知事>
「できるだけ早い時期、そうした決断ができるように引き続き、JR東海さんがですね、真摯な対応をお願いしたい」

流域首長「ここからが出発点」

<島田市 染谷絹代市長>
「ここからが出発点。JR東海が約束したことがきちっと果たされるか見守っていく」

島田市の染谷市長は、専門部会で対話してきた県にも説明の責任があると話します。

<島田市 染谷市長>
「これまで長い時間をかけて信頼を培ってきたから、その信頼を崩さないように、そうした流れの中で着工が知事によってされるもの」

年内の着工開始が視野に入ってきた静岡工区のリニア工事。鈴木知事は、JR東海による地元住民への説明の状況を見定めて、着工の最終判断をするとしています。

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