「見えているつもり」「夜の右側」が危険⋯交通安全運動期間中にも死亡事故多発 日没早い12月「夜の事故」防ぐためにできること

年末を迎え、静岡県内では警察による年末の特別警戒が行われています。

しかし、12月に入って死亡事故は10件発生(12月22日時点)。そのうち9件は歩行者が事故に巻き込まれ死亡し、さらに8件は夜間に起きています。事件や事故が増えやすいこの時期、特に注意が必要なのが、日没後に起きる交通事故です。

12月は、一年で最も日が短い季節。午後4時台には暗くなり、仕事帰りや買い物など移動時間と重なります。また、年末は「人も車も増える」時期。歩行者・ドライバーともに普段より多くなる時期でさらに注意が必要です。

【歩行者は「見えているつもり」が危険】

県警は講習会で夜間に歩行者がどの程度ドライバーから見えるのかを検証しました。

ドライバーから見える歩行者

暗い色の服を着た歩行者は、横断歩道の直前まで近づかなければ存在に気づけないケースもあり、発見が遅れることで事故につながる危険性が高まります。

懐中電灯を持った歩行者
服の色で変わる見え方

一方、反射材や懐中電灯などの光るものを身につけるだけで、ドライバーは約100メートル手前から歩行者を認識できるとされています。

年末の外出時こそ、
▼明るい色の服装
▼反射材の着用
▼懐中電灯やスマートフォンのライトの活用
などの対策が、命を守るポイントになります。

【ドライバーは「ライト」と「夜の右側」を意識】

ドライバー側にも注意点があります。

ロービームで照らせる距離は約40メートル、 ハイビームでは約100メートル

ヘッドライトは、ロービームで照らせる距離が約40メートル、ハイビームでは約100メートルと大きな違いがあります。

対向車がいない場面では、ハイビームを適切に使うことで、歩行者を早く発見できます。

また、警察が特に注意を呼びかけているのが、右側から道路を横断する歩行者です。

道路横断中の死者の割合

県警によると、過去10年間に起きた夜間の高齢者死亡事故では、右から横断した歩行者の死亡事故が、左からの場合に比べて約3倍多いという結果が出ています。

暗い時間帯は、ドライバーから見て右側の歩行者が見えにくく、発見が遅れやすいといいます。

【特別警戒期間中、警察が呼びかけること】

年末の特別警戒期間中、警察はパトロールや取り締まりを強化しながら、次の点を呼びかけています。

▼歩行者は「自分が見えているか」を意識し、反射材等を活用する、
▼ドライバーは早めのライト点灯とハイビームの活用

人の動きが活発になる年末。歩行者とドライバー、それぞれの小さな意識が、年末年始の事故を防ぐ大きな力になります。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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