「やりきった思い」「卒業証書は市民から頂いている」失職決定の田久保市長 記者に語ったことは=静岡・伊東市

静岡県伊東市の田久保真紀市長は、10月31日の市議会臨時会で不信任決議案が可決され失職が決まりました。時折、涙ぐみながら30分以上にわたり記者に語ったこととは。

<記者>
まず最初に不信任決議案、先ほど臨時会で再び採決が行われ、可決されました。率直な感想を教えてください。

<田久保市長>
不信任案の可決というより、今回、災害復旧のための予算が入っておりまして、速やかに皆さんにお届けするというために、少し前倒しで臨時会を組ませていただきました。議会の方には人事案件などでかなり慌ただしい思いをさせてしまったかとは思うんですが、今回は協力をいただきまして、無事可決できてむしろそちらの方がほっとしております。

<記者>
今の話ですと田久保市長ご自身が決まったということよりも、自身が専決処分された報告経緯と補正予算の報告書であったり、市が出した補正予算に関してが良かったという。

<田久保市長>
はい、前回の議会の解散理由が、9月の議会の方が私の不信任決議案の方が優先されてしまいまして、たった1日で終了してしまったと。それによって31日、専決承認をいただきましたけれども、大事な人事案件ですとか補正予算、そういったものが全て審議がされないままになってしまいました。

そういった意味では31日は滞りなく審議が進みまして、その後に私の不信任案が出たということで、まずはほっとしております。

<記者>
この不信任案が出て、御自身の失職が決まったことについて、市民の民意として出されたという市議たちの声がありましたが、それについてはどう思いますか。

<田久保市長>
私の2度目の不信任案につきましては、これは議会の決定として粛々と受け止めさせていただきたい。そのように思っております。

<記者>
その上で今回失職が決まりましたが、今後の選挙後も市長選が行われることになります。田久保市長としては、市長選についてはどういうふうにお考えか教えてください。

<田久保市長>
まずは31日に決定出まして、それを受け止めるというところまでで、この先の進退につきましてはまたご支援いただいている皆さんとよく話し合いながら、自身も向き合って決めていきたい。そのように思っております。

<記者>
現時点では市長選について出馬を検討する方向性とかというところまでは考えていないんでしょうか。

<田久保市長>
現時点では明言は避けたいと思っております。

<記者>
31日で不信任決議案が可決されるまで市長として就任したのは約5か月間です。この5か月で市長としてご自身は何をされましたか。どういったことが記憶に残っているかというのを教えていただけますでしょうか。

<田久保市長>
私が就任しましてすぐにこの騒動が起きまして。そこからは本当にめまぐるしい日々でございました。ですが、その中にあってもできるだけ市民の皆さんと約束したことについては実行していきたいということで一生懸命励んでまいりました。ただ、やはりすぐに結果が出て芽が出るものでもないものもたくさん含まれていますが、一生懸命種をまきましたので、あとは職員の皆さんがそれを実行してくださることを願ってやみません。

SNSを更新していたが、メガソーラーに動きがあったのか?

<記者>
要望の中では、新図書館の中止という一つご自身が市長選の際に訴えてきたことは実施されたと思います。一方で、これまでSNSで更新をしているメガソーラーに関しては特に何かあった動きがあったようには感じていません。

この5か月間でかなりメガソーラーに関してSNSを更新されていますが、5か月間で何か動いたりとかしたんでしょうか。

<田久保市長>
きょうこの場ですので、多少お話をいたしますが、現在裁判の方、これはずっと継続をしております。市長になり改めまして、反対側の立場、つまり行政の側からこの裁判をしっかり見ていきまして、大変心配な状況にあると。そのように思っております。

今、この場では明言をここまでにしたいと思いますけれども、これから先、また立場が変わりますので、この件につきましては、地域の皆様とのお約束でもありますので、自分の最初の約束をしっかり果たしていきたい。そのように考えております。

<記者>
メガソーラーについてSNSでかなり発言されていて、投稿されているという一方で、ご自身の卒業証書に関しての質問に関しては、これまで刑事告発を理由にしゃべらないというふうにしているのは、ちょっと道理が通らないとは思うんですけれども、改めて今回卒業証書について改めてご自身の口からそのことについて説明をいただきたいんですけれども。

<田久保市長>
刑事告発が理由ということが道理が通らないというよりは、もう刑事告発を受けて捜査の対象になっているということがこういった公式の場で発言できないそのものでございますので、そちらについてはご容赦いただきたい。ただ、これから立場が変わります。市民の皆様とお話しする場をできるだけ設けて、お話できる範囲で説明をしていきたい。そのように思っております。

卒業証書は市民に公開する意向があるか?

<記者>
改めてこれまで一番最初のことの発端となった東洋大学の卒業証書とされる文書については、これから公開する意向があるのかというのと、市長でなくなった後にどういうふうにして市民に対して情報を発信していきたいというふうに思っているか、最後に教えてください。

<田久保市長>
繰り返しになりますが、刑事告発の対象になっておりますので、今のところ公式な場での発言というのはできないということに変わりはございません。また、先ほどの繰り返しになりますが、立場が変わりますので、市民の皆さんと少し小さな場を設けまして、膝を突き合わせていろいろなことを話し合っていきたい。そのように思っております。

<記者>
ありがとうございます。

市長就任5か月、胸に去来する思いとは

<記者>
市長、31日で市長室を去ることになるわけですけども、この5か月間、この胸に去来する思いというのはございますか。

<田久保市長>
そうですね。就任してすぐに騒動が起きましたので、本当にある意味あっという間のような本当に長かったような、どちらとも言えないところですが、慣れない仕事の中、本当に職員の...。ごめんなさい。職員の皆さんに本当に....。いろいろとサポートしていただいて、ありがとうございました本当に。おかげで短い期間でしたし、限られた時間だったんですけれども、良いお仕事ができたと、そのように思っております。ごめんなさい。

<記者>
大変な5か月だったと想像します。サポートがあったという話もありました。どんなサポートがあって、今その感情に流れたんでしょうか。

<田久保市長>
あのそうですね、職員も私ももちろん、議員の皆様もそうであると私は信じておりますけれども、やはり市民のためにと。この一つについては、たとえ立場が違えども目指すところは一緒であると。そういう意味では騒動の中、本当に職員の方には、ごめんなさい。あの...。すごく負担もかけましたし、電話の対応ですとか、いろいろな対応、あとは警備のことも警察の方も、本当にいろいろサポートしていただいた中ででも、市民のためにですね、少しでもいい政策を残したい。将来のために何か残していきたいという思い。一緒に共有できたことは本当にありがたく素晴らしい経験だったと。そのように思っております。

<記者>
まだ道半ばですか。

<田久保市長>
いえ、私としては、31日の議会の決定を受けまして、自分なりには精いっぱいやり切ったと。そのように思っております。

<記者>
改革の火という話をされてきていると思います。本当はしたかった改革は何%くらい進んだんですか。

<田久保市長>
パーセンテージといいますか。31日残念ながら、私の不信任決議の討論という形ではありましたけれども、新しく議場に上がった新人の議員さんが2人、討論に立っていただきました。その姿を見まして、ある意味ここから前に進んでいく。本当にそのような気持ちできょうは見ておりました。

<記者>
そういった御苦労もあった中での5か月ですが、今一緒に走ってこられた方たちに伝えたいことはありますか。

<田久保市長>
そうですね、えっと...。騒動が本当に...。すみませんちょっと。まず私の誤った学歴が広報伊東の方に載ったということから端を発しまして、本当にここまで大きな騒動になりまして、御支援いただいた方はもちろんですけれども、市民の皆さん、関係者の皆さん、皆様方にまず本当にご心配とご迷惑をおかけしたと。このことについては、本当にこの場を借りまして、再度本当におわびをしたいと。そのように思っています。まずは本当に申し訳ございませんでした。

改革の火は燃え続ける

<記者>
改革の火というのは、非常に市長はこれまで発言されたんですけれども、仮に市長選になったら出るかどうか決めていないということなんですけれども、もし立候補するとすれば、どんなことを成し遂げたいかとか。これまでの5か月間で成し得なかったこととか、こんなことを実現したいとか何かありますか。

<田久保市長>
もちろん政策は議員のころからこの町の政策についてはずっと考えてきましたので、こんなことあんなこと。こういうことはしなければいけないとか、そういったことは山のようにあるんですけれども、やはり一番感じることはですね、今回この騒動の中、マスコミの皆さんを前に大変申しわけないんですけれども、やはり報道でですね。

ちょっと途中は何を言っても悪く言われるとかたたかれるといったシーンがありました。そういう中ででも本当にごめんなさい。本当に市民の皆さんが本当に話しかけてきていただいて、きのうもおとといもずっとなんですけれども、本当にあの声援を送ってくださって「頑張ってください」って「負けないでください」って本当に声かけていただいてうれしかったです。

本当にさっきも議場で平然としているとか、ずうずうしいとか言った討論がありましたけれども、実は決してそういうわけではなくて、町中や食事しているときもなんですけれども、本当に市民の方が、知らない方が声をかけていただいて、その度にですね...ごめんなさいちょっと。思い出すと泣けてきちゃうんですけれども、本当に近寄ってきていただいて負けないでください。頑張ってください。いつも見てますって。

本当に申し訳ないんですけれど、報道の方々にはこんな報道のされ方を見ているのに、それでもまだ応援してくださる。本当に負けないでほしいって言ってくださるという声かけていただいたことも、声かけていただいたこともうれしかったんですけれども、握っていただいた手が本当に温かくて、それがあってからきょうまで頑張れたと。自分のためだけだったら、ここまでは本当にやれなかったんですけれども、一生懸命頑張りました。

やり切ったという思いで今いっぱいでございます。最後まで期待に本当はもっとたくさんの期待をかけていただいたはずなんですけれども、その点については申し訳なかったと思っています。これからの活動で、また私のことを見ていただければとその辺に思っております。

次の市長選に出る可能性は?

<記者>
活動というのは、どういう形にするかどうかわからないけれども、そういった市民の人たちの声に応えるために市長選に出る可能性というのも十分考えられるということで、そういうことで理解してよろしいでしょうか。

<田久保市長>
選挙というよりも、やはり何か私に託していただく思いですかね。頑張ってほしい、負けないでほしい。このまま続けてほしいとたくさん言っていただいたその思いに、託していただいた思いに応えていきたいと。その思いに応えるためには、これから自分が何をするべきかと。ゆっくり考えてみたい。そのように思っております。

市長を務めたことの卒業証書は欲しい?

<記者>
約5か月伊東市長を務められました。市長を務めたことの卒業証書も欲しいですか。

<田久保市長>
そうですね。きょう、一旦議会の....。ありがとうございます。きょう一旦議会の方を決定いただきまして、卒業とさせていただきました。私の市長としてのきょうの卒業証書は、市民の皆さんからもすでにいただいていると。このように思っております。ありがとうございます。

<記者>
厳しい意見なんですけども、任期を務められなかったことでの中退ではないんでしょうか。

<田久保市長>
そうですね。私からの申し出で途中で終了したということではございませんので、きょうは議会の決定を受けてのことですので、除籍ということなのかなというふうに思っております。

失職が決まった問題の本質は?

<記者>
市民からの期待には本来市長としての立場で答えたいという思いがあったとは思うんですけれども、失職が決まってしまった。この結果について、その問題の本質というのは何だと認識されていますか。

<田久保市長>
そうですね。明日からまた平場に立ちますので、また少しずつその点についてもお話しできることはお話していきたいと、そのように思っているんですけれども、もともと私は一市民の立場から本当にメガソーラーの問題が地元で起きて、たった一人の市民からきょうまでやってきましたので、市民であっても市長であっても、志は変わらずにやっていきたい。そのように思っております。

後悔はある?

<記者>
7月の段階で2回ほどやめるというふうにおっしゃいました。それをやめないということを言いました。あの時辞めてればなーみたいな後悔みたいな、あの時にミスったなーといった思いはございますか。

<田久保市長>
正直に申し上げまして、選挙のテクニックとしてそこでやめておいた方が有意義だというアドバイスは、実はもちろんいただきました。ただ、その時点、その時点で決断があったときに、うん、今これだけはしておきたいといったようなものがありました。

例えばメガソーラーの問題で、県に対して市長として意見書を書かせていただきました。それもまずはやめるかどうかの決断の時に私のところに書類が回ってきたんですけれども、それを書きながらやはりそうですね。

これを書くことができたということに関しては感慨深いものがありましたし、自分が有利か不利かということよりもできることをしっかりやりたいと。やらなければいけないことがあるのであれば、それを優先したい。そのような思いでおりました。

<記者>
戦略をミスったというよりは後悔はないということですね。

<田久保市長>
はい、もちろんこうしていれば、ああしていればということでは、経験不足のこともあったかもしれませんけれども、私としてはその都度精いっぱい自分なりに考えて決断をしてきたと。そのことについては後悔はございません。

市議選の総括は?

<記者>
あと改革の火を消したくないということで、常日頃からおっしゃっていますが、熱烈に支援される方もいらっしゃる。改めてなんですけれども、市議会選挙の方では逆の民意が示されたという見方もできるんですが、市議選の方を総括して今どういうふうな思いでいらっしゃいますか。

<田久保市長>
市議会の方は議員さんの選挙でもございますので、私の方があまりそれに対してあれこれというのはないんですけれども、応援という立場で参加をさせていただきまして、ある意味個人的には私を支持していただいた方とたくさんお話もできましたし、議会の中できょうちゃんと賛成と反対と両方の討論が聞けたということは非常に感慨深い思いは見ておりました。

<記者>
討論の中の話で、大竹議員の方から「事実に背を向ける政治は、市民に背を向ける政治だ」という発言があったと思います。その事実という点で、明日から平場に戻られるという話もありましたが、要望されたことがあれば、その卒業証書、市民の皆さんに提示される開示される可能性というのはあります。

<田久保市長>
繰り返しで本当に申し訳ないんですが、最初に戻りますが、刑事告発の案件になっておりますので、そこに関しましては私一人の判断ではできませんし、またコメントの方も差し控えさせていただきたい。そのように思っております。ただ、お話し会という形で少し小さな場を開いていきたいと思っておりますので、その場で個人的に市民の皆様には私への思いを伝えていただければ、私としても可能な限り応えていきたいと。そのように思っております。

市民に真実を語る可能性は?

<記者>
では、小規模なところで市民の皆さんに本当のこと真実を語る可能性があるということですね。

<田久保市長>
本当に繰り返しで申しわけないんですけれども、現時点では自分の中でお話ししたくてもまだできない部分もございます。そういったことが不信感を招いているというお話もありましたけれども、これはもうある意味致し方ないことで刑事告発を受けておりますので、まず市民の方から問いかけられたことについては誠実なお答えをしていきたい。そのような気持ちに変わりはございません。

<記者>
改革の火を消さないために、自分の後継者のような方がいるのなら、自分が身を引くことも考えるというようなことはこれまでおっしゃっていましたけれども、そういった方もおられるんですか。

<田久保市長>
後継者という表現だったか、ごめんなさい。ちょっと記憶がないんですが、私が申し上げてきたのはこの先どなたが市長になっても、という前提のお話でした。そういった意味ではきょうの議会も見ておりまして、小さな一歩ですけれども、前に進んだのかなというふうに感じております。

<記者>
しかし、御自身の改革を完全に否定するような方が、次の市長になれば、改革の火は消さないという言葉は、もう実際には頓挫することになりますよね。御自身、自分の意思を継ぐ方というのを次に選挙に立てずに身を引かれるというのは、それはこれまでの政治を考えてどうなんでしょう。

<田久保市長>
本当に申し訳ないんですが、現時点ではまだ次の段階のことについては考え中でございますので、明言は避けたいというふうに思っております。

<記者>
次の選挙に出ないということはもう決めておられるんでしょう。きょうもお話を伺っているとね、次の市長選にはもう出られないんでしょう。

<田久保市長>
戻りますが、進退についてはきょうのところ、例えば市長選に出るですとか出ないですとか、そういったことを今申し上げるというよりは、今まだ総括、議会からの決定を受けまして、まだこれから退庁いたしますので、まだその時点ではないというふうに考えております。

<記者>
では、出馬する可能性もあるというふうに、そういったご主張ですね?

<田久保市長>
ご主張ではありませんで、すみません。本当に繰り返しで申し訳ないんですが、進退につきましては、まずきちんと節目でございますので、きちんと最後まで自分の役目を果たしまして、退庁しまして、それから皆さんと一緒に考えていきたい。そのように思っております。

<記者>
前回の不信任のときと、今回の不信任というのは反対討論が出てなかったと思いますが、今回は片桐議員が反対討論に立たれまして、その中で「民意のねじれ」というような言葉もすごく印象的に感じました。市長としては反対討論を聞いた受け止めと民意のねじれという表現をされたことについては、どういうふうに受けとめられましたか。

<田久保市長>
そうですね、ちょっと今の立場で発言するのはなかなか難しいんですが、きょうは本当にもっとシンプルな思いで新しく議場に上がってきた議員の方お二人が、反対の立場、賛成の立場。それぞれで討論されたということをまず非常にうれしく思って、それを見ておりました。

5か月で市長室を去る胸の内は?

<記者>
これまで5か月ですけれども、これから市役所、市長室を去るわけですが、今、そこに立っていらっしゃる先の田久保市長の胸のうちにあるのはどんな思いなのかというのを改めて伺えますか。

<田久保市長>
そうですね。そこについては思いというよりはきちんと。まだ実は少し決裁が残っているものもありまして、時間がないんですけれども、ちゃんと仕上げてからいきたいなというふうに思っておりますので、残された仕事をきっちりしまして、きちんとあと片づけをしてお掃除をして、そしてお礼を言って退庁したいなと。そのように思っております。

<記者>
はじめ方でいろいろ種をまかれたということだったんですけれども、具体的にどういうことを残されたのかなという方々にお聞きしてもいいでしょうか。

<田久保市長>
具体的にといいますと、ご存じのようにたくさん行政ではお仕事ありますので、もちろん今まで継続していたものをさらにということもあります。どうしましょうか。たくさんあるので、どのように申し上げていいか。

<記者>
2、3、田久保市長が特に印象に残っているところ、これは残していきたいなということが何かあれば。

<田久保市長>
私がというよりも、これは私に限ったことではないと思うんですが、市民の方からたくさんお手紙ですとか、メールで身近なご相談ですね。草をもっとちゃんと刈ってくれとかきれいにしてくれということもありましたし、あとは多かったのはやはり猛暑でしたので、夏の冷房ですね。

公共施設の冷房をもうちょっと充実してほしいとか、あとはなかなか生活が大変で、冷房器具にお金をかけられないですとか、本当に細かいご要望。あとは公共交通のこと、病院のこと、教育のこと。本当にたくさんのご要望いただきまして、それにつきましてもやはり一つ一つできたことは少なかったかもしれませんけれども、私なりに精いっぱいやれることはやって、それが種としてこれから先、大きな木になったり、花を咲かせることを祈っております。

<記者>
市長の方から職員の皆さんにこれやってねという働きかけをされたという考えでいいですか。

<田久保市長>
決して私の方がやってねとか、やってくださいということではなくて、共通認識だと思います。この町の課題というのは、もう誰もが思っていることはたくさんありますので、ただなかなかそれをクリアするにはもっと広域的な話し合いですとか、組織も少し、なんといいますか、プロジェクトチームのようなものを組んで各課で取り組むといったそういったことも必要になってくると思うんですが、まだまだ取り組まなければいけなくてたくさんありまして、一緒に課題に取り組めて本当に充実した日々だったと。そのように思っています。

伊東市での役割は終わった?

<記者>
2人の新人議員が賛成討論、反対討論に立つ様子を見て、新しい血が入ってきて、私の伊東市での役割は終わった、というふうにはお考えになりましたか。

<田久保市長>
終わったというよりは、本当にシンプルにきょうはきちんと全ての審議が滞りなく終わりまして、その後に私への不信任決議が出たと。当たり前のようでいて、私にとってはこれは大きなことでしたので、今後の議会の運営にも期待させていただいて、見させていただきたい。そのように思っております。

<記者>
そうすると、まだまだ彼らには託すということではないので、まだ自分にもやることがあるというふうにお考えですか。

<田久保市長>
実はもう本当にこのきょうまで走り切ったという思いが強くて、実はちょっと先のことについて聞かれてもまだ今なかなか言葉が出てこないんですが、市長あっても市民であっても思いは同じということで、自分にできることをやっていきたいとそのように思っております。

市議の元に脅迫状が届いたことについてどう思う?

<記者>
最近、不信任に賛成する意向を示していた市議の元に脅迫状が届くというようなことがありまして、周囲が落ち着かない状況が続いているかと思うんですけれども、こうした環境についてどのように受けとめていらっしゃいますか。

<田久保市長>
そのことにつきましては私も含めまして、毎日のように同じような文書が届きます。決してあってはいけないことだというふうに思っております。また、同じように市民の方でもそのような状況に苦しんだり、おびえていらっしゃる方もいらっしゃるのかと思いますので、やはりこういったことは容認できないという思いは一緒でございます。

<記者>
市長選についてお伺いしたいんですけれども、市議選のときは新しい候補の躍進に期待するという話がありました。今も市長選は新たな候補が手を挙げているという状況となってきていますが、伊東市にとってこうやって新たな候補が出てくるということに関していうことを感じますか。

<田久保市長>
まだ新しい候補の方がどなたで、どういった政策を立てていらっしゃるのか拝見しておりませんので、コメントは差し控えをさせていただきたいと思っております。

<記者>
一方で、前市長も出馬かと。取りざたされていると思いますが、こちらに関してはいかがですか。

<田久保市長>
いかがですか。いかがですかと言われましても、それはもう御自身のご決断として手を挙げられていると思いますので、そのように受けとめております。

<記者>
市議選は20人の枠で30人、そして今回も市長選はもしかしたら前回よりも増えるかもしれない。こういった政治に関する関心が高まっているのではないかということに関しては、どう受け止めますか。

<田久保市長>
そうですね。どうしても政治というと選挙みたいな形になるんですが、やはり中身ですね。前回市議選でも申し上げたんですが、やはり何をするかということ、政策ですとか、どのようなスタンスで市政に向き合っていくかと。そちらの方が話題になることを期待しております。

<記者>
先ほど最初の方で市長を続投するという話のときにも一つ、県の方で裁判で意見書を出したというのが田久保市長の話で達成感が、という話でしたけど。あの意見書確か提出見送りになっていたと思うんですけど。

<田久保市長>
はい、よく御存じでいらっしゃいます。はい。そのとおりでございます。

<記者>
でも内容としてはとても達成感がある文章が書けたということですか。

<田久保市長>
いえ、達成感ということではなくて、やはり首長の責任というのは非常に重いと。最近全国でメガソーラー問題、非常に問題になっておりますが、要所要所で首長がしなければいけない決断というのがあります。また、県ですとか、国に対して意見書を書くという機会もいただけます。

そのときに、自分が市民からの負託でどのような姿勢を示すのか。また、意見書に何を示すかというのは、実は非常に重要ですので、残念ながら見送りという形になったと私も聞いておりますが、意見書の方は私なりの思いでしっかりと書かせていただきました。

次の市長選、どんな市長選を望む?

<記者>
市長選について聞きたいんですけれども、次の市長選は、田久保市長が失職することで、必ず行われます。どんな市長選になってほしいでしょうか。

<田久保市長>
どんな市長選...。そうですね、先ほどと繰り返しになりますけれども、やはり皆さんがどのような伊東市をつくっていきたいのか。そこに焦点が当たるような市長選になってほしいと思います。私個人に対する評価ですとか、そういったことよりもですね、市民の皆様もそこに期待をしていると思っておりますので、政策論争が繰り広げられることに期待をしたいと。そのように思っております。

<記者>
田久保さんになるにせよ、別の人になるにせよ、次の人にバトンがパスされることになります。次のリーダーに対して言いたいことというのはありますでしょうか。

<田久保市長>
いえ、それはもう市民の皆様の選択ですので、私から言いたいことという形ではないと思っております。

<記者>
10月20日に青木副議長が学歴詐称は問題ないと。その後の対応に問題があったから、今回このようになったということが一つ。もう一つは、同じ日に小野市政にメガソーラーの裏契約について百条委員会が立たなかったことについて、それは立たなかったことに対しては立たないというのが民意であって、今回1億円かけて、市長選1億円かかりますから、それも民意だという話を青木議長がされていたんですけど、そのことについてお願いします。民意ということで。

<田久保市長>
百条委員会が立つかどうかが民意というのはちょっと難しいお話かなと思います。やはり問題がある百条委員会でお諮りするべき事案が発生した場合には、それは政治的要素ではなく、可及的速やかに百条委員会は開催されるべきだとは思っております。

ただし、百条委員会が高度に政治的な場になってしまうということの危機感。これも同じように感じております。

「タクボるタクボん」の缶バッジは作る?

<記者>
子どもたちが「タクボるタクボん」の缶バッジほしいと言ってるんですが、市長は作られますか?市長でなくなって民間になりましたので。

<田久保市長>
私が個人的に?前向きに検討させていただきたいと思います。

<記者>
この5か月間ですね、市長はやり切ったとの話がありましたけれども、市政、特に伊東市である伊東市役所内に混乱を生じさせたことは間違いがないのかなと思います。それに関しては、市長ご自身はどういうふうに感じていらっしゃいますか。

<田久保市長>
繰り返しになりますが、やはり私の誤った学歴が広報伊東に掲載されたというところから端を発しまして、関係者の皆様や市民の皆様に本当にご心配とご迷惑をおかけしたということに関しては、もうこれは一貫しておわびしたい。そのように思っております。

ただ、このような騒動の中でも励ましていただいたたくさんの市民の...。たくさんの市民の方に本当に励ましていただきまして、感謝しております。本当にうれしかったです。みんな本当に優しくて、こんな状況なのに頑張ってくれって。毎日のように声をかけていただいて、本当にそれがあったからこそ、頑張れました。

そういう意味では皆さんにいただいたそういったご声援というか。かけていただいた言葉の一つ一つが本当に貴重な財産になりました。そういった意味では、皆さんにこんなに声をかけていただいて、幸せな市長さんをさせていただいたと本当にそのように思っております。ありがとうございました。

市民からの厳しい声に対しては?

<記者>
周囲の方への感謝の気持ちが多かったのかなと寄せられた方も多いと思うんですが、全ての市民がそうではないのかなとも思いますが、特に厳しい追及の声もあったと思います。そういう声を寄せる市民に対して、これまでの混乱に対して何か今思いを寄せていただくことはできないでしょうか。市長の励ましの声以外の市民の声に。

<田久保市長>
もちろん厳しい御意見があって、凱旋のときのお話をさせていただきましたけれども、そういったものも一つ一つ受けとめていきたい。そのように考えております。ありがとうございます。

<記者>
卒業証書に関してなんですけれども、捜査対象であると、刑事告発されていると。であれば、なぜすぐに提出をしないのかというところがどうしても疑問なんですけれども。

<田久保市長>
本当に申し訳ないんですが、何度も何度も繰り返しで。皆さんがそこを何とかしてというのはわかるんですが、お答えできないものはお答えできませんので、繰り返しの質問の方は御容赦いただきたい。そのように思います。

<記者>
田久保市長といえば、学生時代にバンド活動をされてバイクがお好きでいらっしゃいます。国政でも高市総理も学生時代バンド、ドラムをしていてバイクが好きでいらっしゃいます。やはりああいう共通点のある方が世界という大舞台で活躍されているのを見て、やはり自分も、また市長として頑張りたいな、とかそういう思いもありますか。

<田久保市長>
いやいや、なんかもう比較されるには本当に恐縮するぐらいのビッグネームのお名前が出てきましたけれども、私は私らしくこの先も頑張っていこうと常に思っております。

市長になって156日間、一言で言うと?

<記者>
156日間、一言で振り返ると、どんな言葉が浮かびますか。

<田久保市長>
そうですね。156日間、本当に短かったような長かったような、そうですね。毎日精一杯でした。ですけれども、本当に皆さんに支えられてきょうまでここまでこれたというのは、本当にご支援いただいた皆さんとお声をかけていただいた皆さんのおかげであるとそのように思っております。本当にありがとうございました。

<記者>
一言で言うと「精いっぱい」ということでよろしいでしょうか。

<田久保市長>
そうですね、結果として成果ということを問われますと、非常になんとお答えするか、まあやり切ったというか、精いっぱいやり切ったという今はそういう気持ちでございます。どうもありがとうございました。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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