
静岡県は10月17日、県内でマダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の2025年9人目の患者が確認されたと発表しました。すでに年間患者数が最大だった2022年の6人を超えており、県は野外活動をする際は、マダニ対策を十分にするよう呼びかけています。。
今回確認されたのは東部保健所管内の90歳代女性です。10月5日に発熱して医療機関を受診、8日に意識不明となり入院しました。マダニにかまれた自覚はなく刺し口もありませんでしたが、検査の結果、10日にSFTSと診断されました。
女性はマダニにかまれた自覚や刺し口はなく、発症前に草むらなどに立ち入っていませんでした。また犬を飼っていますが体調不良はないということで、感染経路は特定されていないということです。女性は10月17日現在も入院中ですが、快方に向かっているといいます。
静岡県内では2021年に初めてSFTS患者が確認されて以降、年間3~9人の感染が報告されていて、2025年はすでに9人の感染が確認され、うち3人が亡くなっています。年間の患者数はこれまで2022年の6人が最多でしたが、2025年はすでに上回っています。
また、マダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」も2025年は23人の感染が確認されており、こちらも過去最多となっています。
県は、野山や草むら、畑などに入る際は、長袖・長ズボン・帽子などで肌の露出を減らし、マダニにかまれないよう対策を十分にするよう注意を呼びかけています。
※マダニ感染症の特徴
静岡県によりますと、「SFTS」は、SFTSウイルスを保有するマダニにかまれることで感染しますが、ペットなど感染した動物の体液からも感染することも報告されています。マダニに咬まれてから6~14日の潜伏期間を経て、発熱や消化器症状などが現れ、重症化すると死に至る場合もあります。
日本紅斑熱は、リケッチアという病原体を持つマダニにかまれることで感染し、2~8日の潜伏期間の後、高熱や発疹などの症状が現れます。重症化した場合には死に至ることもあるということです。