
刑事裁判をやり直す再審制度を見直すための「法制審議会」の部会に2024年、無罪が確定した袴田巖さんの姉・ひで子さんが出席しました。再審開始までに40年以上の時間がかかった事を踏まえ、速やかな法改正を訴えました。
2024年、無罪が確定した袴田巖さんをめぐっては、再審=裁判のやり直しが行われるまで40年以上の長い時間がかかったことから、制度の見直しを求める声が上がっています。
5月30日は、制度の見直しを進めている法務大臣の諮問機関「法制審議会」の2回目の部会が開かれました。会合は非公開で行われ、袴田さんの姉・ひで子さんなど、えん罪事件の被害者や家族、担当した弁護士が委員からのヒアリングを受けました。
<袴田ひで子さん>
「47年7か月、拘置所の中に閉じ込められていたということを強く強調した」
姉のひで子さんは「証拠がもっと早く開示されれば巖の苦しみも短く済んだはず」などと、再審法の不備を指摘したということです。
<袴田ひで子さん>
「不備があるなら直す。改正するなら改正するとしっかりやってもらいたいと思っております」
また、間光洋弁護士は、これまでなかった証拠開示の規定を新たに定めることや、裁判所が再審を認めたあとは、検察の不服申し立てを禁止することなどを求めたということです。
<間光洋弁護士>
「とにかく、事件を過去のことにしてはいけない。袴田巖さんやひで子さんのような悲劇を2度と生まないように再審法の改正に向けた議論をしてほしい」
また、姉のひで子さんは5月29日、都内で鈴木馨祐法務大臣と面会し、お詫びを受けました。
<袴田ひで子さん>
「(鈴木法務大臣に)とにかく『ありがとうございます』ということを申し上げまして、再審改正法は言わなくてもわかっていただけると思っております」