「犯罪の中枢をしっかり取り締まる」静岡県警に“サイバー空間の番人” トクリュウなど巧妙で凶悪な“現代犯罪”に対応の2つの新部署立ち上げ

巧妙で凶悪な現代の犯罪に対応するため、静岡県警が2つの新たな部署を立ち上げました。インターネットを悪用した犯罪を防ぐため、部署を超えて取り組みます。

パソコンの画面に向き合って作業をしているのは、いわばサイバー空間の番人たち。静岡県警が2025年度から設置した「サイバー対策本部」のメンバーです。

<静岡県警サイバー対策本部 戸塚浩之本部長>
「特殊詐欺や投資・ロマンス詐欺、闇バイトなどあらゆる犯罪にインターネットが悪用されている。サイバー空間を巡る脅威は極めて深刻な情勢」

いまや、サイバー空間は警察と犯罪グループを巡り、「主戦場」と化しています。
警察が犯罪を覚知したり、未然に防いだりするには、サイバー空間での活動が欠かせないのです。

県警では、これまで生活安全部の中にサイバー犯罪対策課を設置していました。しかし、あらゆる犯罪にインターネットが悪用される中、縦割り意識の残る部署を超えて取り締まりや防犯活動に対応するために組織を発展、拡大させました。

サイバー対策本部が当面の課題としているのが、セキュリティの必要性を多くの人に知らせることです。

<戸塚本部長>
「サイバーセキュリティーは一県民、一企業、一団体が行えばいいというものではなく、他に穴や隙があると、そこが攻撃されてしまう。いわば『蟻の一穴』」

もう1つ、凶悪化が進む犯罪への対策組織も新たに設置されました。匿名・流動型犯罪グループ対策室。いわゆる「トクリュウ」犯罪を取り締まる組織です。

<静岡県警組織犯罪対策課 板山光宏課長>
「関東圏を中心に発生しているが、隣接する静岡でもいつ波及するか分からないので、県警も警戒を強めている」

静岡県内でトクリュウグループが関与した凶悪事件は確認されていませんが、県東部で相次いでいるリフォーム詐欺は、トクリュウグループの下見ではないかとみられています。

<板山課長>
「現役の高校生など犯罪に普通なら関与しない人を集めて実行犯に使わせると。この組織を立ち上げたのは犯罪の中枢をしっかり取り締まるため」

県民が直面する新たな危機に対し、ポイントを押さえて対応を強化していく。今回の組織改編は巧妙化する犯罪を許さないというメッセージでもあります。

<静岡県警 津田隆好本部長>
「組織として十分じゃなかったものをしっかりきちっと部署を作り、人員的にも強化しているので、質的量的にも今まで以上にしっかり対策・捜査をしていける」

<社会部・寺坂元貴記者>
「県境や国境を越えて凶悪化する犯罪。県警のボーダーレスな組織が、そこにどう立ち向かえるのかが注目です」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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