
第1、2セットともアウトサイドヒッターの米山裕太、小沢宙輝らの得点で序盤は競り合ったが、中盤に連続得点を許して失った。第3セットも先行を許すと、オポジットのソウザ・アランにボールを集めて追い上げたが、流れを変えることはできなかった。
試合後は今季限りで現役を退く米山の引退セレモニーが行われた。チームの功労者は支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを伝えた上で、「東レでの経験は自分の誇り。将来はSVリーグの監督になって優勝するのが目標」と宣言。最後は同僚選手から胴上げを受けた。
■米山、地元最終戦で勇姿 全盛期ほうふつ
全盛期をほうふつさせるスパイクをコート中央に打ち込んだ。東レ一筋19年間の選手生活に区切りを付けるアウトサイドヒッターの米山。今季地元最終戦で最初の得点を決めたが試合に敗れ、「チームの勝利が第一。自分の1プレーに感慨はない」。実直な性格そのままの言葉で節目の試合を振り返った。
既にチャンピオンシップ進出の可能性が消えた中で、チームの功労者の花道を飾ろうと全員が誓って試合に臨んだが、「相手のレベルが高かった」と阿部監督。小沢がバックアタック、難波も速攻を決め、第3セットはオポジットのソウザが連続得点を奪う場面もあったが、最後まで主導権を握れなかった。
劣勢の中で米山は先発した上にすべてのセットでコートに立ち7得点。「迷いなく振り切ったヨネが見られ、すがすがしい。いつも若手にヒントを与えてくれた」。現役時代、セッターとしてコンビを組んだ指揮官はベテランのこれまでの貢献をたたえた。
185センチと、アタッカーとしては小柄ながら40歳まで続いた現役生活。「一日一日、後悔がないように、目の前のプレーにベストを尽くしてきた」。努力を積み重ねてリーグ戦400試合出場を達成し、日本代表としても活躍した歩みをかみしめる。
8位にとどまるチームは次週、首位の大阪Bとの対戦で今季を締めくくる。「相手に不足はない。最高の試合をする」。東レの背番号5は最後まで自分らしくチームのために戦うことを誓った。