
逮捕容疑は同日午後8時ごろ、東伊豆町稲取で刃物1本を携帯した疑い。強盗致傷事件の発生を受けて周辺を捜査中の県警捜査員が同3時半ごろ、平屋建ての廃屋で物音がしたため確認すると、刃物を持った男を発見。職務質問をすると、男が警察官に対して刃物を向けて抵抗したという。警察官は拳銃を構えて警告したが、発砲はしていないとされる。関係者によると男は50~60代とみられる。
関係者によると、男は立てこもりを続けたが、捜査員が午後8時半ごろまでに廃屋内で身柄を確保した。男には首などに複数の傷があった。自ら傷付けた可能性が高い。東伊豆町内の病院に搬送されたという。
県警は現場周辺を広域で規制した上で、男との接触を試み、交渉などを続けたとされる。
東伊豆町稲取では3月19日、無職女性(80)が自宅敷地内で暴行を受け、軽トラックを奪われる強盗致傷事件が発生していた。立てこもった男が何らかの形で関与した可能性もあるとみて、慎重に調べを進める。
■現場で2度大きな音、「普段は静かな場所なのに…」住民驚き
東伊豆町稲取で4日、刃物を持った男が約5時間立てこもった事件。現場は国道135号に近く住宅や病院、公共施設が混在する。
小雨が降って肌寒い中、立てこもりが続いていたとされる時間帯には大きな音が2度確認され、夜空は一瞬明るくなった。地元の50代女性は「午後3時半すぎ、サイレンを鳴らしたパトカーと覆面車両が何台も来た。立てこもり事件と聞き、びっくりした。普段は静かな場所なのに」と心配そうに語った。
同町稲取では3月19日、地元女性(80)が自宅で暴行を受け、軽トラックを奪われる強盗致傷事件が発生した。県警は町内の防犯カメラに映った男の画像を公開するなどして住民に情報提供を募り、捜査を継続しているさなかの立てこもり事件の発生だった。
団体職員男性(50)は「凶悪事件がほとんどない田舎で事件が起き、まだ解決しないのかと心配していた。現場近くに母が暮らしていて、周囲も高齢者が多い地域なので一刻も早く解決してほしい」と話した。