南海トラフ巨大地震の被害想定が13年ぶりに見直され、3月31日、報告書が公表されました。静岡県内では、最悪の場合、10万人以上の死者が出るというこれまでと変わらない厳しい結果が突きつけられました。
国の専門家検討会が31日、公表したのは、南海トラフ巨大地震の新たな被害想定の報告書です。新たな想定では、静岡県内には震度7から6弱の揺れが襲い、津波の第一波は最短2分で到達するとしています。
津波の高さは
▽下田市最大31メートル(前回33メートル)
▽静岡市清水区最大11メートル(前回11メートル)
▽浜松市最大17メートル(前回16メートル)
におよびます。
死者数は、これまでの想定が国全体で約33万2000人(2014年国の基本計画)、静岡県内で約10万5000人(2013年静岡県第4次被害想定)だったものが、新たな想定では、最悪の場合、国全体で約29万8000人、静岡県内では約10万3000人となり、これまでの想定と比べ、わずかに減ったものの、依然、厳しい数字です。
静岡県内では、この10年間で地震や津波対策が進みましたが、伊豆半島など高齢者の多い地域では、都市部と比べて耐震化率が低いという現状があります。また、津波から素早く逃げる意識が、仮に、低ければ多くの犠牲者が出る恐れがあります。
<静岡県 鈴木康友知事>
「まずはご自身で身を守るっていう『自助』が最大の防災対策になるので、有事に備えていただきたい。防潮堤の粘り強い整備効果等も踏まえて、被害想定を我々としてもしっかり試算していくので、またそういうものも参考にしていただきたい」