静岡県内最大の命山「今切の丘」完成 湖西・新居町、住民ら訓練 浜名湖や遠州灘一望 県が整備

浜名港海岸に完成した県内最大の命山「今切の丘」=10日、湖西市新居町(県浜松土木事務所提供) 静岡県は18日、浜名湖の今切口に近い湖西市新居町の新居弁天海釣公園隣接地に整備した浜名港海岸命山の完成に合わせ、避難訓練を実施した。南海トラフ巨大地震で想定される最大規模の「レベル2」の津波から公園利用者の命を守るため整備した施設で、海抜23メートルの高さは県内最大。公募により愛称は「今切(いまぎれ)の丘」に決定した。4月1日から供用を開始し、平常時には浜名湖や遠州灘を一望できる観光拠点としての活用も見込む。
 県や市の関係者、新居弁天地区の住民や公園を訪れた釣り人など70人ほどが訓練に参加し、サイレンを合図に約140段の階段やスロープを通って頂上を目指した。頂上に到達すると伊良湖岬へつながる遠州灘海岸や浜名湖、富士山などを望める景色を楽しんだ。県浜松土木事務所の杉本敏彦所長は「地域のシンボルとして愛され、いざという時に命を救う施設になることを願う」とあいさつした。
 愛称を考案したのは同市横山の石田充裕さん(72)で、計874件の応募の中から選ばれた。パンフレットの題字は県立新居高書道部の生徒が手がけた。
 浜名港海岸命山は東日本大震災の教訓を基に2014年に着工し、年間ピーク時の公園利用者約750人を収容できる設計とした。命山の周囲にはより発生頻度の高い「レベル1」の津波を防ぐ海抜9・5メートルの防潮堤(全長880メートル)も整備した。総事業費23億円。

「静岡新聞DIGITAL」は静岡新聞社が提供するニュースサービスです。静岡県内の政治、経済、事件・事故から地域の話題、高校野球、Jリーグなどのスポーツの最新情報を伝えます。

関連タグ

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1