第39回静岡県ヤングサッカーフェスティバルが3日、草薙陸上競技場で行われ、U-16男子の部は9月の佐賀国民スポーツ大会出場を見据えた静岡選抜と東京選抜が対戦。静岡選抜が3−1で勝利した。
静岡選抜は前半21分、左MF針生涼太(清水ユース)のシュートで先制。後半18分に同点とされたが、その1分後に左サイドを駆け上がったDF鈴木翔湧(浜松開誠館中)が左足で鮮やかに蹴り込んで勝ち越した。さらに27分にオウンゴールで加点した。
静岡選抜、MF針生涼太(清水ユース)が先制点
先制点を決める静岡選抜の針生涼太(11)
静岡選抜に先制点をもたらしたのはU-16日本代表のMF針生涼太(清水ユース)。前半21分、左サイドからゴール前に走り込み、クロスに合わせて左足を振り抜いた。
「ずっとクロスがファーサイドに流れてくるのを待っていた。いつもは外してしまうシュートだけど、今日は調子が良かった」。チームを勇気づける貴重なゴールだった。
生まれも育ちも仙台市。清水エスパルスのスカウトの目に止まり、昨春静岡にやって来た。抜群のスピードと、裏に抜け出した後のクロスが特長だ。
目標にするのは日本代表の三笘薫。「同じ左サイドなので、縦突破の推進力や緩急をつけたドリブルをお手本にしている」という。
国民体育大会(国体)で静岡の少年男子は2年連続初戦敗退中。今年は国民スポーツ大会に名称変更して行われる。「自分は早生まれで静岡選抜に選ばれているので、自分がチームを引っ張って、勝利をもたらしたい」。期待のスピードスターの言葉に力がこもった。
選手・監督コメント
<DF細谷蒼太主将(富士市立高)>
個人的には全然満足していないが、同点にされた後に2点取れて良かった。チームの雰囲気もいい。みんなで攻撃して、みんなで守備することを心掛けている。国スポで勝って終われるようにしたい。
<決勝ゴールを決めた左DF鈴木翔湧(浜松開誠館中)>
良いパスが来たので、足を振ってファーサイドに蹴るだけだった。自分でもびっくりしている。
<ボランチ小関陽生(浜松開誠館中)>
守備面で自分の特長を出そうと思っていた。球際では絶対に負けないように意識していた。国スポでは昨年のチームは初戦で負けているので、今回は優勝したいと思っている。
<鈴木啓史監督(裾野高校教諭)>
今日は国スポに向かっていくために、チームとしてしっかり戦おうと伝えた。攻守でのアグレッシブさが自分たちの生命線。ハードワークや全員攻撃全員守備を選手たちに表現させたかった。選手たちは静岡のポテンシャルの高さを見せてくれたと思う。
中学3年生だけで11月23日にチームを立ち上げて、高校1年生の早生まれの選手も入れたのが2月中旬。まだ選手も固まっていない。今日のようなサッカーをやれば強豪とも渡り合えることが分かったと思う。もっと攻撃のバリエーションを積み上げていきたい。