清水エスパルスのサンタナが大宮戦でいつもと違うゴールパフォーマンス。なぜだったの? 

SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」で、静岡新聞運動部の市川淳一朗記者が、ホーム最終戦となった11月4日の大宮アルディージャ戦を振り返りました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと神谷恵美里さん。

神谷:11月4日、清水エスパルスはホームで大宮アルディージャと対戦しました。チアゴ・サンタナ選手、カルリーニョス・ジュニオ選手、岸本選手、乾選手のゴールで4−0で大勝し、J1昇格へ王手をかけました。

<乾貴士選手のインタビュー>
「ゴールシーンはだいぶフリーだったので、止める余裕もありました。すごくいいボールが来たので、決めるだけでした。2桁ゴールを取れたのは良かったですけど、とにかく勝つことがすべて。僕のゴールはおまけみたいなもの。もうどんな試合になってもいいので、とにかく勝つだけです。もう勝って、昇格決めて、あとはゆっくりしたいなと思います」

ヒデ:やっぱりベテランならではのインタビューでした。市川記者、どうでしたか?

市川:取るべき人が取った4点でした。前節ホーム熊本戦で3失点した守備に関しても、この試合で改善してみせた。球際の部分やセットプレーの集中力。そういった部分がしっかりと表現できたことがクリーンシートにつながったと思います。

前の試合で逆転負けして、残り2試合どうなるのか分からない中で、見事にその不安を払拭するような試合を見せてくれました。

大宮戦の全4ゴールを振り返る

神谷:4ゴールを振り返っていきましょう。まずは前半2分のチアゴ・サンタナ選手のゴール。

市川:相手のクリアが短くなったところで、すぐに反応してターンして、左足を振り抜いた。ストライカーらしいゴールだったと思います。

ヒデ:まさに感覚ですね。あのタイミングで振り返って、そのまま打った。ゴールの位置ももちろん把握していたでしょう。抑えもきいていて、さすがの一言ですね。

市川:ボールスピードもすさまじかったですね。

打てば何かが起こる


ヒデ:そして前半終了間際、カルリーニョス・ジュニオ選手のチームトップの15ゴール目。

市川:前節の熊本戦、前半はずっと押しに押しながら追加点が取れずに、前半終了間際に失点して逆転負けを喫してしまった。大宮戦では前半終了間際に追加点という形でリードを広げる展開にすることができました。

カルリーニョス選手のゴールも、ワントラップから落ち着いて右足で流し込んだ。さすがのゴール前の落ち着きでした。今のチームのトップスコアラーのプレーだったと思います。

ヒデ:得点の前は、左右に展開して相手ディフェンスを揺さぶっていました。やっぱりチーム戦術、パスワークも含めて素晴らしかった。そして後半18分、途中投入されたばかりの岸本選手のゴールでした。

市川:その直前、ゴール近くで相手から乾選手がボール奪取をして、岸本選手にパスを出しました。そうした展開も本当に抜け目がなかった。岸本選手も遠目から狙って、それが結実した。打てば何かが起こる、まさにそれを表現しているゴールでした。

GKの逆を突いた乾の今季10点目

ヒデ:そして駄目押し。後半23分、乾選手の今季10ゴール目。2009年以来14年ぶりの2桁ゴール。

市川:あのゴールは、カウンターからペナルティーエリアの左で受けて、ちょっとボールを動かしながらニアに流し込んだ。さすがの技術力でした。

ヒデ:完全にキーパーの逆を突いていました。キーパーの重心は完全に左に傾いていた。そこを見逃さず。

市川:その技術の高さ、ベテランとしての落ち着き、振る舞いが存分に表れたなと思います。

神谷:守備に関してはいかがでしたか。

市川:大宮がロングボールやクロスを放り込んでくるという分析があり、しっかり跳ね返していました。球際でも相手を上回って隙を与えず、やるべきことをやってクリーンシートという形になったと思います

エースが抱えていた悩み


ヒデ:試合後のチームの雰囲気、インタビューなどで感じたものは。

市川:先制点のチアゴ・サンタナ選手はこれが6試合ぶりのゴールで、前回のゴールから1カ月以上経っていました。本人はゴールを決めた後、だいぶ感情をあらわにしていました。いつもはスタンドに向けて自分を誇るようなポーズをすることが多いのですが、この日は顔をくしゃくしゃにしながら、右拳を振りながら喜びを表していました。

「どうしたんですか。なぜあんなジェスチャーをしたんですか」と聞いたら、「ゴールから離れていて、自分は守備での貢献はちゃんとできていたけれども、やっぱりストライカーとしてゴールがなかったというところに少し悩みを抱えていた」と。「それをゴールで、それも試合が始まってすぐに先制点という形で結実させることができたので、ああいうアクションになった」と話していました。

ヒデ:ブラジル人はいつも明るい印象ですが、やっぱり悩まれていたんですね。

「選手の勇姿、見届ける」

神谷:ホーム最終戦セレモニーもありました。

市川:秋葉監督は挨拶の中で、逆転負けをしたホームの熊本戦後にブーイングを受けると思っていたら、サポーターが「リバイブ」という応援歌を歌ってくれたことを話していました。選手たちがすごく励みになったと。残り1戦、みんなで戦っていこうという雰囲気づくりができていたので、とても良かったと思います。

ヒデ:最終節はドキドキでしょ?勝って、J1昇格を決めるしかないですよね。

市川:どういう展開になるか分からないですけど、ずっと0-0とか1-1で試合が進んで、終盤になって焦りが出てしまって、という流れを一番恐れています。じっくりやれば点は取れるチームなので、その辺の精神面というところがちょっと気になりますね。

ヒデ:キーマンになりそうな選手は誰ですか?

市川:大宮戦で点を取ったチアゴ・サンタナ選手、カルリーニョス・ジュニオ選手、乾貴士選手。この3人が今、2桁の大台に達していて、この前の試合でもそろい踏みで点を取った。このアタッカー陣が試合を決めてくれるのでは。

次の試合はアウエーですが、全選手が現地に行くみたいです。基本的にアウエーはベンチメンバーの18人しか行かないのですが、全選手が行く。「昇格」に向けて同じ気持ちでいるってことですね。

ヒデ:最後に、記者なりの意気込みを。

市川:選手や監督、スタッフ陣を信じるのみです。「1年で昇格する」という思いで1年駆け抜けてきた選手たちの勇姿を見届けたいなと思っています。

ヒデ:本当に近くでずっと見てきた方ですもんね。最後まで見届けて、ハッピーな記事を書きたいんですよね。

 
シズサカ シズサカ

サッカー大好き芸人、ペナルティ・ヒデと、サッカー中継のリポーターとしても活躍する鬼頭里枝の2人がお送りする番組。Jリーグから海外サッカー、ユース世代、障がい者サッカーなど幅広くスポットを当て、サッカーを通して静岡を盛り上げます。目指すは「サッカー王国静岡の復権」です!

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