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ヒデ:現役お疲れ様でした。そして、GM就任おめでとうございます。
井川:これまでのキャリアをご紹介します。赤星さんは1986年生まれ、静岡県富士市出身、ポジションはミッドフィルダー。藤枝東高校を卒業し、2005年に浦和レッズでプロデビュー。水戸ホーリーホック、モンテディオ山形、ツエーゲン金沢でプレー。
その後はラトビア、ポーランド、ロシア、イラン、インドネシア、オランダのクラブを渡り歩き、2021年4月に一度現役引退を発表しますが、直後に引退を撤回。地元の岳南Fモスペリオに加入し、選手兼営業スタッフとしても活躍。2022年に静岡県1部リーグで優勝、そして東海社会人サッカー2部に昇格した昨シーズンでも無敗の成績でチームを優勝に導きました。
ヒデ:リスナーからメッセージが届いています。
「見事な成績での優勝おめでとうございます。しかし、リーグホーム最終戦は欠場となり、サッカーの神様の意地悪すぎる仕打ちに僕は理不尽さすら感じました。『ここまで頑張ってきた人にこんなことをするのはなぜなのか』と。名古屋で行われた実質最後となった試合、訳がわからないまま退場となってしまい、ショックでしかなかった。それでも、ホーム最終戦で試合前に子供たちと笑顔でボールを蹴る赤星選手の姿は忘れられません」
ショックを受けている方が多いです。
赤星:僕が一番びっくりしました。
ヒデ:ご本人の心中を思うと胸が苦しくなるし、潰されそうなほどなんですけど…。今だから言えることってありますか。
赤星:まずレッドカードをもらった瞬間に、「これはどうしよう」っていう思いがあって。通常の試合であれば、審判に抗議をしたりってことになるんですけど、「もう出ちゃったものは仕方ない」と、そこは潔く終わりました。でも、やっぱり試合終わってから「関係者各位に連絡をしなきゃいけない」「やることはやらなきゃいけない」という気持ちにもかられ、まずどこから謝ろうかと。
ヒデ:一度引退を決めて撤回し、今回は本当に引退。今の心境は。
赤星:モスペリオというチームに入ってから2年5カ月ぐらい。あっという間だったなと思いますし、「最後までいろんなことがあるんだな、人生は」ってあらためて感じましたね。
ヒデ:サッカー選手として濃い人生だったでしょうね。
赤星:そうですね。本当にいろいろなご縁もありましたし、今回のレッドカードについてSNSで謝罪したところ、ちょっとお付き合いがある吉田麻也選手が、「そういう引退の仕方もあるんですね、勉強になります」というコメントをくれました。
ヒデ:やらしい優しさですね。
赤星:そうなんですよね。それがヤフーのニュースに出てしまいまして。ちょっとこっそりやりたかったのに、もう全国の人たちが知ってしまって(笑)
ヒデ:私、二度見しました。レッドスター(赤星)、なにしてんだって(笑)。
赤星:まさかみんなに知られちゃうということで、逆に話題になっていいんだか悪いんだかっていう(笑)
誹謗中傷がすごかった国は…
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ヒデ:海外も経験し、いろんなものを見てきました。日本は本当に恵まれている環境の中でサッカーをやれているのでは。
赤星:本当にそう思います。僕がロシアに行った時からクリミアの問題があったり、イランにいるときは「イスラエルの話はしないでくれ」と事前に話があったり。日本はすごく平和ですね。
ヒデ:どこが一番きつかったですか。
赤星:イラン、インドネシアは秩序的な部分がちょっとゆるかったり、暴動が起こったり、その辺は少し難しさがありました。あとSNSの誹謗中傷的なものはもうすごかったですね。もちろん他の海外の国でもありましたけど、本当にもうひっきりなしに誹謗中傷が来るような状況だったので。
ヒデ:海外に行くと強くなれるということですかね。
赤星:最初に行ったポーランドやラトビアでも試合に対しての批判はありましたし、次の日タクシーに乗ったりなんかしたら、「昨日の試合はなんだ」ってタクシーのドライバーに言われたり。レストランに行っても文句を言われたり。
ヒデ:でも、それがモスペリオで活かせたっていうところもあると思います。だって無敗で優勝決めたってすごい。
赤星:正直僕もプロでやってきただけだったので、社会人サッカーがどんな感じなのかわからなかったんですが、みんなのまとまりをすごく感じて、意識が高くなったというのが勝てた要因なんじゃないかと感じてます。
GMとして目指すのは…
井川:そして来シーズンは東海社会人サッカー1部で戦う。これからGMとしてどんなチーム作りをしていきますか。赤星:これから東海社会人1部リーグに上がって次に目指すのが「JFL」。今度は全国区のチームを目指していくということで、もっとサポーターを増やさなきゃいけないですし、地元に根付いていくような活動をやっていかないと。なかなか大変なので、そこを一番頑張っていかなきゃいけないですね。
ヒデ:今までと違うようなことをやるわけじゃないですか。例えば名刺。名刺はやっぱり赤にしたでしょ?レッドカード、それでおなじみのみたいな(笑)。
赤星:赤にした方がいいかもしれないですね(笑)
ヒデ:勝手が違うことをやって大変でしょ。
赤星:もちろん大変な思いはあります。今までも一応、選手兼営業という形でスタッフとして関わってきたので、いろいろ運営のことはわかってますけど、選手を管理する側は今まで経験したことがないので、新鮮な思いはあります。
ヒデ:でも、今までの経験や経歴があるわけだから、選手はありがたいと思う。
赤星:そうですね。選手の気持ちは理解できる部分もたくさんあるんですけど、チーム作りの中で選手の入れ替えもあって、ちょっと切ない思いもあります。でも、そういう組織にどんどんなっていかなきゃいけないですし、自分がその役を担わなきゃいけないっていうことで、複雑な思いがないわけではない。
ヒデ:そこ大変ですよね。でも、これでもう一生サッカーに携わっていくって決まりましたか。
赤星:そうですね、やっぱりサッカーに育ててもらいましたからね。まだまだこれから恩返しをしていかなきゃなと思います。
ヒデ:セカンドキャリアで全く違うところに行く方もいるじゃないですか。でも、赤星さんはやっぱりサッカーなんですね。
赤星:これもご縁なので、こういった機会をいただけたっていうのが本当にラッキーです。
多くの出会い「ラッキー」
ヒデ:他にちょっとやってみたいなって思うことはなかったんですか。赤星:いろんなこと考えたりしますけど、でもやっぱりサッカーが好きですし、好きなことが一番いいのかなって思います。
ヒデ:好きなサッカーを続けてこられた大きな要因とか、続けてよかったと思うことってありますか。
赤星:いろいろな方たちと出会う機会をもらえました。たくさんの人に応援してもらったっていうのは選手だからこそ得られた特権でもあるし、そういった出会いがすごく多かったので続けられた。「ラッキーだな」みたいな思いが一番大きいと思いますね。
ヒデ:モスペリオサポーターの富士市在住の方から。「富士での引退試合がまさかの出場停止ということになってしまって(笑)、最後の地元でのプレーは見られませんでしたが、今までモスペリオでプレーした姿は忘れません。試合後の挨拶も感動してもらい泣きしてしまいました。これからも応援しています」
赤星:まずはJリーグのチームになれるぐらいに成長していけるように、地元を盛り上げていけたらなと思います。
ヒデ:プロを目指している子も多いので、子どもたちにメッセージをお願いします。
赤星:少しでもモスペリオを子どもたちに覚えてもらい、目指してもらえるようなチームにするのが僕らの目標です。子どもたちはぜひプロを目指して「サッカー王国静岡」をさらに盛り上げていってほしいですね。