<清水桜が丘・MF沢野航大>
160センチと小柄だが、名門の中でもひときわ大きな存在感を放っている。
ポジションはトップ下。「自分はボールに触りたいタイプ」という言葉通り、豊富な運動量でピッチのあちこちに顔を出しては少ないタッチで攻撃にリズムを生む。時には小回りの利いたドリブルやターンで相手をほんろうする。
本人が自信を持つのは「セットプレーのキックの質」。サイドチェンジやカウンターの場面で見せる配球力も周囲の目を引く。4回戦の磐田北戦では、相手ブロックの隙を見つけ、ワンステップで正確なロングボールを仲間に届けていた。
「堅守速攻」のタクトを振る
小学時代は清水クラブ、中学はFC桜が丘でプレーした。中学3年時に静岡県トレセンに何度か呼ばれたことはあるが、高校入学後は県選抜とは無縁だったという。チームでは2年になって、ようやく途中出場の機会が増えた。小柄な体で一つ一つ階段を上がってきた。夏の県総体は決勝で静岡学園に惜敗した。全国切符をほぼ手中にしながらロスタイムに追いつかれ、延長戦で振り切られた苦い記憶が残る。沢野は「インハイはあと一歩で負けた。静岡学園を倒して全国に行きたい」と目を輝かせる。
清水桜が丘は6年ぶりの全国行きを狙う。伝統の「堅守速攻」をピッチで表現できるかは、背番号9のタクト次第だ。
<こちらもおすすめ!関連記事>
全国高校サッカー選手権静岡県大会、シズサカ編集部“イチ推し選手”①浜名高のテクニシャン朝井陽之