知っとこ 旬な話題を深堀り、分かりやすく。静岡の今がよく見えてきます

8月4日 朝の編集長セレクト

 おはようございます。8月4日、水曜日。朝6時、空を見上げたら抜けるような青空が広がっていました。いい一日になりそうな気がしました。
 さて、知る・見る・学ぶ記事まとめ〈知っとこ〉は今日も4回更新を予定しています。この時間は、私の注目記事を4本セレクトしてお届けします。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

城北公園と行き来しやすく 静岡市立中央図書館リニューアル

 老朽化に伴い大規模改修工事を行っていた静岡市立中央図書館(葵区大岩本町)が5日、リニューアルオープンする。城北公園の景色を眺められる読書席や公園につながる出入り口を新設した。

城北公園につながる出入り口を新たに設けた=静岡市葵区の市立中央図書館
城北公園につながる出入り口を新たに設けた=静岡市葵区の市立中央図書館
 昨年10月から休館し、電気、機械、空調の設備更新や照明のLED化、トイレを新しくするリフレッシュ工事などを進めていた。総事業費は約5億9千万円。
 水筒やペットボトル飲料などふた付きの飲み物を持ち込める席も設けた。城北公園はカフェや子ども施設を整備する計画があり、公園との行き来をしやすくして利便性向上につなげる。子連れの利用者向けに授乳室も新設した。
 リニューアルを記念して5日から9月12日まで、静岡市ゆかりの絵本作家佐野洋子さんの特別展示を行う。代表作「100万回生きたねこ」の翻訳本や「だってだってのおばあさん」の原画を再現した版画などを並べる。
 5日は午前9時半開館。

麦ストロー活用 海プラ問題提起 静岡農業高生 企業、店舗に賛同呼び掛け

 静岡農業高(静岡市葵区)環境科学科の学生グループ「いきものがかり」がこのほど、栽培から加工まで生徒が手がけた麦のストローを活用し、海洋プラスチックごみ問題を提起する「シズオカ ストロープロジェクト」を始めた。活動の輪を広げようと、企業や店舗などにも賛同を呼び掛ける。

栽培から加工まで手がけた麦ストローでプロジェクトを始めた「いきものがかり」メンバーら=静岡市葵区
栽培から加工まで手がけた麦ストローでプロジェクトを始めた「いきものがかり」メンバーら=静岡市葵区
 いきものがかりは、小さな子どもたちに農業に興味を持ってもらおうと取り組む生徒有志の教育活動団体。野菜や動物といった身近な素材を題材にオリジナル教材を作製し、科学館や放課後児童クラブなどに出向いてワークショップを開いている。
 プロジェクトは、コロナ禍で校外活動が制約を受ける中で始めた新しい教材作りがきっかけという。昨秋から校内で六条大麦を育て、実は麦茶に焙煎(ばいせん)。ストローは、わらの洗浄や加工に工夫を重ね、商品化した。
 今後は、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)の実現につなげようと、県内の店舗や企業に麦ストローの活用を呼び掛けていく方針。
 店舗などに募金箱の設置協力も求め、募金を寄せてくれた人には100円ごとに1ダース(12本)を提供する。集まった資金は、県が進める「海洋プラスチックごみ防止6R県民運動」に役立ててもらう予定。メンバーの杉山らい君(16)は「僕たちの活動が、多くの人にプラスチックごみ問題に関心を持つきっかけになればうれしい」と話した。

標本作製やDNA分析で連携 地球環境史ミュージアムと日本平動物園が協定

 静岡市駿河区のふじのくに地球環境史ミュージアム(佐藤洋一郎館長)と市立日本平動物園(竹下秀人園長)は3日、連携協力協定を結んだと発表した。学術的価値の高い動物試料を保存し、研究や教育に活用する。

協定締結を発表した佐藤洋一郎館長(右)と竹下秀人園長=3日午後、県庁別館
協定締結を発表した佐藤洋一郎館長(右)と竹下秀人園長=3日午後、県庁別館
 ミュージアムが動物園から動物の死骸を受け入れ、標本作製やDNA分析を行うほか、連携してイベントを開催するなどして教育普及に努める。研究や展示のための動物試料の入手が難しかったミュージアムと、標本の保管などが課題だった動物園の思惑が一致した。協定締結は1日付。
 佐藤館長は「これまでは研究者間の連携に過ぎず、標本の散逸も問題だった。活動を知ってもらい研究の幅を広げるためにも機関連携を進めたい」と見据えた。竹下園長は「地元の貴重な財産として保存されるのは喜ばしい。野生動物への関心を高めるきっかけになれば」と期待した。

 

53年前と同じメキシコ戦へ 五輪サッカー男子 元日本代表杉山さん(藤枝)「因縁感じる」

 3日に埼玉スタジアムで行われた東京五輪サッカー男子準決勝で、日本は優勝候補スペインに延長戦の末に敗れた。藤枝市の自宅でテレビ観戦した元日本代表の杉山隆一さん(80)は「スペインを相手にいい守備をしたが、決定力がなかった。3位決定戦は必ず勝利を」と願った。

杉山隆一さん
杉山隆一さん
 53年ぶりのメダル獲得を懸ける6日の3位決定戦の相手はメキシコ。1968年10月24日、メキシコ五輪で日本が2―0で地元メキシコを下した3位決定戦で先制点をアシストするなど大車輪の活躍だった杉山さんは「今度は日本が開催国。因縁を感じるが、ぜひ勝ってほしい」と願う。
 53年前の準決勝でハンガリーに0―5で完敗後は「クラマー監督からはハンガリーが強かった。とにかく忘れろと言われ、気持ちを新たにして臨んだことが良かった」と当時を振り返った。
 杉山さんは「日本の選手は自分たちに比べれば本当にうまくなっているが、唯一物足りないのは真の強さ。もうワンチャンスある。必ず勝つと信じて最後の一戦に臨んでほしい」と期待を込めた。
地域再生大賞