朝のデスクおすすめ
おはようございます。6月29日(火)です。きょうは毎月のことですが「肉の日」です。昨夜は美味しい太刀魚に出合えました。きょうはお肉系の晩ごはんにできたらと思っています。
読む・知る・身になる…記事まとめ〈知っとこ〉は今日も4回更新を予定しています。この時間は私のおすすめニュースを4本ピックアップしてご紹介します。
〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉
濁水がサクラエビ卵のふ化、幼生の成長を阻害 荒川教授(東京海洋大)実験、確認【サクラエビ異変 母なる富士川】
サクラエビの主産卵場の駿河湾奥に日本軽金属の放水路や富士川から強い濁り水が注いでいる問題で、東京海洋大学術研究院の荒川久幸教授(58)=海洋光環境学=の研究グループは28日までに、濁りの主成分である微細な無機粒子がサクラエビの卵のふ化や幼生の成長を阻害するとの実験結果を明らかにした。同様の研究で貝類や魚への影響は確認済みだが、サクラエビについてデータの取得は初。9月に開かれる日本水産学会秋季大会で発表する。
荒川教授は春漁が行われていた5月下旬、サクラエビ漁船に乗り、「アタマグロ」と呼ばれる産卵間近な親エビを百匹程度採取した。研究室に持ち帰り、海の環境に近い特殊な水槽で飼育を始めた。実験は、産まれた卵や成長した幼生がいる水槽に無機粒子(平均粒径約2マイクロメートル)の濁り水を投入。顕微鏡で観察を続けた。
最大濃度の水槽で半数の卵が無機粒子が多数付着した状態でふ化しなくなったほか、ふ化から約3日間の幼生に同50ミリグラムを超える濁りを与えると変態(脱皮)が遅くなり、次段階の幼生に移行できないものが増えた。
たとえ変態できたとしても、濁りを与え続けると無機粒子が幼生に付着。泳ぐことができず、実験容器の底をはうように動き、最終的に死ぬ様子が確認できた。
荒川教授は「少なくとも、無機粒子がサクラエビの生残に悪影響を与えることは分かった」と説明し、放水路や富士川から濁りが供給され続けている駿河湾奥で何が起きているかをさらに精査する必要性を説いた。
サクラエビの主産卵場でメイン漁場となってきた湾奥の富士川沖では2019年ごろから漁師らが強い濁りを指摘。事実上の禁漁にもかかわらず、富士川沖だけ魚影がない状態が今年の春漁まで続いている。
芦川うらら 待ちわびた五輪切符「正しかったと思える大会に」 体操女子・種目別平均台
待ちわびた東京五輪の切符獲得に一層気が引き締まった。28日、体操女子の種目別平均台で五輪出場権を獲得した芦川うらら(静岡新聞SBS、常葉大常葉高出)。「今までやってきたことが正しかった思える大会にしたい」と改めて活躍を誓った。
当時は高校2年。練習環境を変えずに五輪を目指そうと、大学進学を見送ることを決めた。小学2年から所属する水鳥体操館(静岡市葵区)で競技を続け「成長できるチャンス」と前向きに励んできた。
ただ、思い通りに練習をこなせない時期もあった。「足を振り上げると痛い」。昨年6月、左足の付け根に痛みが生じた。日常生活でも長時間座っていると痛みは増すばかり。持ち味でもあるジャンプして足を大きく開く技の練習を控える期間が続き、歯がゆさを感じた。「痛くない時に時間が戻ったら良いのにな」。普段は目標に向かって黙々と演技を繰り返すが、珍しく弱音を吐いた。
長引く痛みに悩まされても、水鳥体操館には毎日通った。体の治療に時間を割き、コーチと相談しながらできることに取り組んだ。痛みは徐々に癒え、体操と向き合う時間が増えたことに充実感を覚えた。「五輪という目標があったから1年間頑張ってこられた。進学せず体操に専念することを決断して良かった」。不安もあったが、今では胸を張る。
生まれ育った地元で積み重ねてきた努力が結実し、夢舞台のスタートラインに立つ。支えてもらったコーチや家族ら全ての人に恩返しする心意気で挑む。「自分の一番良い演技をしたい」。勝負はここから始まる。
あしかわ・うらら 2003年3月8日、富士市生まれ。1歳で体操を始め、小学2年から水鳥体操館(静岡市葵区)に所属する。常葉大常葉中2年時の全国中学校体育大会個人総合で3位入賞。19年は全国高校選抜大会と全国高校総体の種目別平均台を制した。東京五輪予選の種目別ワールドカップ(W杯)平均台で3連勝し、20年12月の全日本種目別選手権で初優勝した。
新稲子川温泉「ユー・トリオ」営業を再開 富士・芝川地域の観光拠点、2年ぶり
2019年5月から営業を休止していた富士宮市上稲子の「新稲子川温泉ユー・トリオ」が27日、営業再開した。地元関係者がテープカットを行い、芝川地域の観光拠点の再スタートを祝福した。
同施設は露天風呂や大浴場、足湯のほか、食事処(どころ)や休憩室を完備する。バーベキュー場など屋外施設も充実していて、幅広い年代で楽しめる施設を目指している。同施設の伊藤寿朗支配人は営業再開に「稲子地区を盛り上げていきたい。地元の方が気楽に楽しめる施設を目指す」と力を込めた。温泉プールは感染拡大防止のため休止している。
同施設ではレジオネラ属菌の検出により、休業が続いていた。再開に向け、源泉近くに滅菌装置が付いた貯湯槽を新設したほか、貯湯槽から施設までの送水管や施設内配管の洗浄消毒を徹底した。
静岡市民文化会館 2030年度までに改修、大ホール2千席確保 市が基本計画案、市民の意見募る
静岡市は28日、老朽化が進む静岡市民文化会館(葵区)について、2030年度までに改修する方針を盛り込んだ再整備基本計画案をまとめた。現在と同じ約2千席分の大ホールを確保し、カフェやコンビニなどの施設を備える。30日から1カ月間、市民から意見を公募する。
改修後は約2千席の大ホールと約千席の中ホールを確保し、照明や音響などの設備を更新する。客席の間隔を広げるほか、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、換気機能の強化やオンライン配信設備の導入を進める。バリアフリー化を図り、小規模な練習や発表ができるスペースも整備する。
市民文化会館は1978年に開館した。老朽化に伴い市はアリーナを含めた複合施設として建て替えも検討したが、周辺景観への影響や運営の難しさ、コスト、休館期間などを考慮し、改修する方針を示していた。改修費は全面建て替えに比べ半分程度に抑えられるという。