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3時のアフタヌーンクリップ

 こんにちは。5月4日(火)、きょうはみどりの日です。国民の祝日に関する法律では「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日と定めています。皆さんはいかがお過ごしですか?
 この時間の記事まとめ〈知っとこ〉は定番の「3時のアフタヌーンクリップ」をお届けします。きょうよくお読みいただいている記事、私が気になった記事をピックアップして4本紹介します。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉

ハシビロコウ「ビル」剥製に 伊東・伊豆シャボテン動物公園「思いはせて」

 伊東市富戸の伊豆シャボテン動物公園はこのほど、昨年8月に世界最高齢とされる推定50歳以上で死んだハシビロコウ「ビル」の剝製の展示を始めた。長年暮らしたバードパラダイスに設けている献花コーナーで、生前と変わらない堂々とした姿を見せている。

献花コーナーに展示されたハシビロコウ「ビル」の剥製(左)=伊東市富戸の伊豆シャボテン動物公園
献花コーナーに展示されたハシビロコウ「ビル」の剥製(左)=伊東市富戸の伊豆シャボテン動物公園
 ビルは1971年にスーダンから来日。進化生物学研究所(東京)で飼育された後、81年に来園した。野生では餌の魚が顔を出すのをじっと待ち続けることから「動かない鳥」として人気が高まったハシビロコウの象徴的存在だった。当初は雄として来園したが、死後の解剖で雌と判明した。
 剝製の展示は来園40周年に当たる4月28日に始めた。中村智昭園長は「ビルが戻ってきたなと感じた。来園者の方々には生前の姿に思いをはせてもらえれば」と話した。
 ハシビロコウの飼育数は世界でも40~50羽とされ、剝製は非常に貴重という。骨格はかつて暮らした同研究所に収蔵された。

磐田「エビイモ」オーナー始動 10家族、収穫目指し苗定植

 JA遠州中央は2021年度、管内が生産日本一を誇る海老芋(エビイモ)のオーナー制度を始めた。収穫までの栽培体験を通じてエビイモへの関心を高めてもらい、減少する生産者の育成も目指す。3日は市内を中心としたオーナー10家族、24人が同市上神増の畑で苗の定植に取り組んだ。

エビイモ生産者村松さん(左)の指導で苗の定植に臨む親子=磐田市上神増
エビイモ生産者村松さん(左)の指導で苗の定植に臨む親子=磐田市上神増
 准組合員やその家族を対象に1口(10株)1万円でオーナーを募ったところ、初日に定員に達して盛況だった。この日は地元のエビイモ農家村松多加次さんの手ほどきで、高さ10センチ程度の苗を等間隔で植えた。村松さんはエビイモ栽培の基本を伝え「土作りが最も大切」などと強調した。
 6月は余分な芽を取り除く芽かき、11月には収穫に臨み、15キロ程度を持ち帰ってもらう予定。参加した同市寺谷の青島孝芳さん(67)は「地元の特産。初めてだが丹精込めて育て、煮物にして味わいたい」と意気込んだ。
 同JAによると、エビイモはサトイモの一種で繊維質が少なく肉質がきめ細かいのが特徴。料亭などの高級食材やおせち料理として需要が高い。
 (磐田支局・山本雅子)

バラ香るワークスペース 休暇と仕事、ゆったりと 河津バガテル公園に開業

 河津町峰の町営バラ園「河津バガテル公園」の遊休施設を改修したテレワーク拠点「ワーキングスペース・バガテル」がこのほど、開業した。旧レストラン棟で、フランスの田舎小屋を再現した建物の2階150平方メートルに、Wi-Fiやコピー機、ワークスペースを備えた。観光地で休暇を兼ねながら仕事をする「ワーケーション」客を誘致する。

レストランだった建物を改修して開業した「ワーキングスペース・バガテル」=河津町峰の河津バガテル公園
レストランだった建物を改修して開業した「ワーキングスペース・バガテル」=河津町峰の河津バガテル公園
 施設は町が約800万円かけて改修した他、クラウドファンディングでも調度品の修繕費として80万円を集めた。レストラン時代のフランス風の机や椅子を生かした会議スペース2カ所や小上がり、カフェスペース、バルコニーを設けた。木々に囲まれた静かな環境で仕事ができる。
 同日は周辺の1市4町をオンラインでつないで式典を開き、岸重宏町長らがオープンを祝った。運営を担う元町地域おこし協力隊の和田佳菜子さん(33)は「町内外を問わず、多くの方が気軽に訪れられる場にしたい」と話した。
 利用料金は1人1時間500円、1日千円。営業時間は午前9時半~午後4時で定休日は木曜日(祝日の場合は翌日休み)。同施設の利用のみの場合、同公園への入園料は不要。問い合わせは和田さん<電090(7309)1864>へ。

商店街、真心とともに品物お届け 注文・配達時に住民と交流 富士宮で新サービス

 富士宮市の富士宮駅前通り商店街振興組合がこのほど、地元商店街の商品を自宅に宅配する市内限定サービス「富士宮いいじゃん」を本格的にスタートさせた。注文や配達時に言葉を交わすことで、商店街と生活者をつなぐコロナ禍の新たなコミュニティーの構築を目指す。

注文した商店街の商品を自宅玄関前で受け取る利用者=富士宮市青木平
注文した商店街の商品を自宅玄関前で受け取る利用者=富士宮市青木平
 宅配事業には同組合加盟店など計23店舗が参加している。扱う商品は漬物やお茶、パン、菓子、かまぼこ、おむすびなど幅広い。注文に応じて事務局が各店の商品を取りまとめ、届ける。同組合の増田恭子代表理事は「コロナ禍でも商店街の各店舗の良さや歴史を伝えていく場にできれば」と思いを込めた。
 店や商品を紹介するカタログを発行し、約1100部を配布した。ウェブカタログの専用ホームページも立ち上げた。順次カタログの配布地域や参加店舗を増やしていくほか、利用者からのニーズにも対応していく。
 5店舗から注文した妻と2人暮らしの大庭辰雄さん(68)=同市青木平=は自宅玄関前で配達スタッフから商品を受け取り「コロナ禍で外出しにくい。通販のようで使いやすいサービス」と語った。
 注文は配達日1週間前まで。カタログまたはホームページから商品を選んで注文書に記入して電話やFAX、メールで受け付ける。配達は週1回、火曜日正午~午後4時。問い合わせは事務局<電0544(29)7106>へ。
地域再生大賞