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フードコート営業開始 「焼津PORTERS」どんな施設?

 焼津内港(旧港エリア)の漁具倉庫をリノベーションして整備中のテレワーク拠点施設「焼津PORTERS」。7月末にはフードコートの営業も始まり、注目を集めています。そもそもどんな目的で整備された施設なのでしょうか。フードコートの話題と施設の整備構想について1ページでまとめました。

キャンプ飯、おむすび...フードコートに地元なじみの3店

かつお節かけ放題のサービスを展開する「こめふく」=焼津市中港の焼津PORTERS
かつお節かけ放題のサービスを展開する「こめふく」=焼津市中港の焼津PORTERS
 焼津PORTERS(焼津市中港)のフードコートの営業が7月29日、始まった。地元になじみが深い「やいづキャンプ飯」のアンテナショップ、焼きたてパンのお店「ピーターパン」が手がけるカフェ、水産会社が手がけるおむすび店「こめふく」の3店が出店。初日は大勢の来場客でにぎわった。
 
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「やいづキャンプ飯」のアンテナショップ
 
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パンやジェラートなどを販売するカフェ
 
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こめふくのおむすび

 フードコートは施設1階部分に開設した。「やいづキャンプ飯」のショップでは、プロジェクトに参加する地元事業者14社の商品を店頭に並べるほか、その中のいくつかの商品を日替わりで提供し、試食できる。おむすび店では、おむすびに削り立てのかつお節をかけ放題のサービスを展開。かつお節は月ごとに違うメーカーの製品を使用する。カフェ「PORTERS CAFE」では、地元で根強い人気を誇るピーターパンの主力商品であるパンに加え、ジェラートやスムージーを提供する。
 「焼津ポーターズマーケット」も同時に行われ、DIYワークショップ、魚河岸シャツのフォトコンテストなどのイベントが催された。
 (焼津支局・福田雄一)
〈2023.7.31 あなたの静岡新聞〉

1960年に建った漁具倉庫を改装 港町の立地生かし「魚食文化発信できる場に」

 ※2021.7.1 あなたの静岡新聞より

漁具倉庫一帯の整備後のイメージ
漁具倉庫一帯の整備後のイメージ
 焼津市の焼津内港(旧港エリア)の漁具倉庫(同市中港)について、飲食・宿泊機能を備えたテレワークの拠点として整備することが正式に決まった。市、倉庫を所有する焼津漁業協同組合、運営主体、リノベーションをそれぞれ手掛ける企業2社が(※2021年6月)30日、整備に向けた連携協定を結んだ。
 漁具倉庫は1960年に建てられ、二棟で2階建て計54部屋が並んでいる。網や釣りざおの収納に使われている。市は港町らしいロケーションを生かし、テレワーク拠点に選定し、事業者を公募していた。
 施設を運営するのはキャンプ場・商業施設運営のヴィレッジインク(下田市)、リノベーションを手掛けるのはアール・アイ・エー(東京都)。年内に改修工事に着手し、来年3月から段階的に運用を始める。完全オープンは2024年になる見込み。
 (※2021年6月)30日に市役所で行われた締結式には、中野弘道市長、ヴィレッジインクの橋村和徳社長らが出席した。橋村社長は、新施設を中心ににぎわいを創出したい考えを示し「新しい魚食文化を発信できる場にもなれば」と構想を述べた。

今年5月プレオープン 宿泊機能も計画、25年夏にグランドオープン予定

 焼津内港(旧港エリア)の漁具倉庫をリノベーションして整備しているテレワーク拠点施設「焼津PORTERS」(焼津市中港)が28日、プレオープンした。コワーキングスペースの利用が可能となり、6社がサテライトオフィスとして入居した。

「焼津PORTERS」=焼津市中港
「焼津PORTERS」=焼津市中港
 施設はホテル管理システムの開発提供「スマートホテルソリューションズ」(東京都)が整備した。コワーキングスペースはA棟2階に設置し、複数の会議室も設けた。同社によると、12月には宿泊機能を備えた2部屋を整備。宿泊機能を増やすなどを検討し、2025年夏にグランドオープンする計画。
(焼津支局・福田雄一)
〈2023.5.30 あなたの静岡新聞〉

「新しい働き方」で集客期待 焼津市、利用者の定着支援

※2023年3月9日 静岡新聞「ウィズコロナを見据えて 志太榛原23年度予算案」より〉

整備中のワーケーション施設について担当者から話を聞く顧取締役(右)=焼津市内
整備中のワーケーション施設について担当者から話を聞く顧取締役(右)=焼津市内
 中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化支援に取り組むナカタケテック(東京都)は5月にプレオープンする焼津市のワーケーション施設にサテライトオフィスを置く。焼津市内の企業ではDX化への関心が高まっているが、ノウハウ不足など課題が多い。事業主の悩みに即座に応えるには直接出向く方が早いと、都内と別に拠点を構える。
 ナカタケテックの顧文博取締役(31)は、支援先には直接出向くスタイルを取ってきた。リモートでは専門知識がないと伝わりにくく、とりわけ中小企業は理解までに何日も必要なケースが多いという。「直接出向いて対応した方がスムーズに進む」と語る。サテライトオフィスを志太榛原地区のDX拠点にと位置づける。
 焼津漁港の漁具倉庫をリノベーションして整備中のワーケーション施設は、テレワークや会議ができるスペースに加え、シャワールームや飲食施設を備える。今後は宿泊機能も入る予定で、市はコロナ禍で定着したリモートワークといった新しい働き方を模索する人たちが集うにぎわい拠点として期待する。
 ナカタケテックのオフィスには3人のスタッフを配置する。企業の相談受付やデジタル関連の講座を展開するという。「さまざまな人との交流から新たなビジネスのきっかけも生まれる」と構想する。
 施設のにぎわい創出に向け、移動手段の選択肢を増やす。市は新年度、施設とJR焼津駅などを結ぶ低速の電気自動車(EV)を走らせる。市外からの来訪者が施設に立ち寄りやすくなるとともに、施設利用者も市内周遊に活用するなど用途が広がる。
 漁港を背景にした港町らしいロケーションも魅力の一つ。焼津市商工課の鈴木展明主査(39)は「施設を中心に若い人が集うエリアにしたい」と意気込む。

 <メモ>焼津市はワーケーション施設の利用者の定着を図るための取り組みを支援していく方針。新年度当初予算案に関連事業費4400万円を計上する。低速EVの導入検討に向けて、事業費1000万円を盛り込んだ。
(焼津支局・福田雄一)
地域再生大賞