富士市「健康に影響ない」 汚泥残留問題、不安に応え調査開始【サクラエビ異変 母なる富士川】

 富士川に高分子凝集剤入りのポリマー汚泥が残留しているとされる問題で、富士市の小長井義正市長は25日の市議会6月定例会一般質問で、「環境中から(アクリルアミドを)大量摂取することは考えがたく、市民生活や健康に影響ない」との見解を示した。一方で、市民の不安に応えて市独自の水生生物調査を始めたことを明かした。
 同市によると、水生生物調査は静岡、山梨両県が実施方針を示した水質や泥の調査を補足し、目視で生物への影響の有無を調べる。
 同市は、水路の濁りや泥の堆積などの農作物への影響に不安の声がある富士川右岸の松野地区と、左岸側で富士川から取水している農業用水「四ケ郷用水」の安全性を検証するほか、富士川に排水する工場での凝集剤の使用状況の調査も進める。
 小長井市長は、県と、同市、静岡市、富士宮市が両県の調査内容や結果を情報共有するなど流域自治体と連携して対応する意向を示した。
 富士市は、昨年度の臨時水質検査で毒性物質が検出されないことを確認している。ことし6月に実施した目視の水生調査では、水質階級1級相当の水に生息する生物も確認しているという。

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