⚾エース早川 ハヤテけん引 2軍ウエスタン・リーグ 静岡県内初プロ球団参戦1カ月【しずスポ】

オリックスとの開幕戦に先発したくふうハヤテ・早川=ちゅ~るスタ(写真部・二神亨)
 プロ野球2軍ウエスタン・リーグが開幕して約1カ月。くふうハヤテのエース早川太貴が参入1年目のチームをけん引している。17日時点でリーグトップタイの3勝をマーク。開幕戦で受けたプロの洗礼を糧に、飛躍を遂げた右腕は「何度も対戦する上で結果を出せればもっと自信になる。ここからまた勝負していきたい」とさらなる進化を思い描く。
 プロ生活は挫折から始まった。3月15日のオリックスとの開幕戦で先発を任されたが4回10安打7失点でノックアウト。変化球の制球が安定せずにカウントが崩れ苦し紛れの直球ははじき返された。
 失意の早川に手を差し伸べたのはNPBで実績を残した実力者たち。前DeNAの田中健二朗からは「変化球はベース板の内側に投げる意識を持って」と助言を受け、赤堀元之監督にも直球でカウントを取る場面は「ゾーンを高低で2分割し、高さだけを間違えなければ」とヒントをもらった。助言を実践できるよう中村勝投手コーチと練習に励んだ。
 迎えた自身2試合目となる阪神戦。早川は7回を3安打無失点で勝ち投手となり、歴史的なチーム初白星に貢献した。直球で押し、変化球は多少甘くても完璧に合わされることはなかった。「回を追うごとにやってきたことが自信になった」。武器である直球の強さに投球術が加わり、次の広島戦では1失点完投。続くオリックス戦も勝利投手となり開幕戦の雪辱を果たした。
 プロの打者にも「自信のある球をしっかり投げ込めたときは通用する」と実感。今は1軍でも勝負できる投球を目指し、球速アップにも意欲を燃やす。
 北海道・北広島市役所に勤務し、クラブチームで野球をしていた1年前とは大きく環境が変わった。だが目標はあくまでNPBのドラフトで指名されること。前職場から近い日本ハムの本拠地・エスコンフィールドで凱旋(がいせん)登板することが一つのモチベーションだ。「開幕戦の悔しさがなかったら変われなかった。あの経験があって今がある」。24歳の挑戦は続く。
 (吉沢光隆)

 はやかわ・だいき 1999年12月18日生まれ。北海道出身。北海道大麻高から小樽商科大。卒業後は北広島市役所に勤務しながらクラブチームのウイン北広島に所属した。185センチ、95キロの体格を生かした本格派右腕で、最速150キロの直球が最大の武器。

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