「匿流」対策強化へ 静岡県警、企業が連携 対策協が会議

 暴力団など反社会的勢力と企業の関係遮断を推進する県企業防衛対策協議会は10日、静岡市葵区で中部ブロック会議を開いた。6月の株主総会シーズンを前に情報共有の徹底などを誓った。SNSを駆使し離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」を新たな脅威と捉え、一致団結して対策の強化に乗り出す決意を新たにした。
 焼津水産化学工業総務・人事部の勝見亮介ブロック会長は「暴力団組織はあらゆる手段で資金獲得活動を活発化させている。警察の捜査の努力と成果を無駄にしないよう、企業間でも連携と情報共有を加速させましょう」とあいさつした。
 県警の枝村芳宏組織犯罪対策局長は、県外の暴力団が県内進出を狙った事件の事例を複数挙げ、「活動は広域化している」と強調。「匿流」の情報収集や実態解明に向け、組織改編で捜査態勢などが強化されたと報告して「匿流は治安上の課題。緊密な連携が何よりも重要」と協力を求めた。
 中部地区の加盟社の総会担当者らを中心に78人が出席。県警幹部の講演を聴き、SNSトラブルやサイバー攻撃に関するDVDも視聴した。ブロック会議は東部が17日に沼津市で、西部が24日に浜松市で開く。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞