突然の表明に政界混乱 県議会「緊急事態」「停滞招く」【川勝知事辞職表明】
15年近く県政トップを務めてきた川勝平太知事が突然の辞任表明をしたことを受けて2日、静岡県内政界に衝撃が広がった。「5選に前向きだったのでは」「県政に停滞を招く」など与野党を問わず驚きの声が相次いだ。2025年の次期知事選は1年程度前倒しされる見通しとなり、選挙戦略の見直しは必至だ。リニア中央新幹線南アルプス静岡工区の工事にも影響するとの見方が出ている。
県議会も、突然の知事辞任表明に驚きの声が相次いだ。最大会派の自民改革会議の増田享大代表は取材に、「今回の発言は辞職に値するような内容だった」と断じ、知事不信任決議案の提出を視野に検討を進めていたことを明らかにした。「静岡県にとっては緊急事態だ」と危機感を示し、「県政に停滞があってはならない。県民生活に影響が及ばないように取り組む」と強調した。
次期知事選に向けては「候補者を早く決めていかなければならない。経済界を含め『オール静岡』として大同団結していく形が良いのではないか」と展望した。3日にも緊急役員会を開いて対応を協議する方針だ。
知事に近い第2会派ふじのくに県民クラブの田口章会長は「事前の相談は何もなかった」と驚きを隠さなかった。「本人が不適切発言があったら辞めると言っていたので、それが影響したのかもしれない。真意を確認したい」と述べた。
公明党県議団の蓮池章平団長は「5選に意欲があると受け止めていた。なぜこのタイミングなのか。理由が分からない」と語った。今回の発言を「明らかに職業差別。権力の座に長く就くと自分が見えなくなり、人の意見も聞けなくなる」と非難した。知事選に向けては「県政をしっかりと運営してもらえる人を選んでいく」と話した。
(政治部・森田憲吾)