中国人誘客へ東部視察ツアー 旅行会社経営者に魅力発信 熱海、御殿場、伊豆の3市など

 熱海、御殿場、伊豆の3市と県東部地域コンベンションビューローは22日、中国人の訪日旅行を手がける旅行会社の経営者らを招いた視察ツアーを始めた。25日まで。新型コロナ禍前は最多だった中国人旅行者の本格回復を見据えて地域資源をアピール。参加者の意見を、受け入れ体制づくりに役立てる。

桜を背に記念撮影する参加者。中国人客の本格回復を見据えて地域の魅力を伝えた=熱海市
桜を背に記念撮影する参加者。中国人客の本格回復を見据えて地域の魅力を伝えた=熱海市

 中間層と富裕層を対象に事業展開する旅行会社から4人を招待し、初日は熱海市を案内した。芸妓(げいぎ)の舞を鑑賞し、早咲きの「あたみ桜」をめで、人気店が並ぶ商店街を散策するなど熱海の魅力を凝縮した行程を組んだ。
 団体から小グループ・個人へ客層の転換を図っている旅行会社からの参加者は、海を一望できるホテルや海上花火を挙げ「富裕層向けの付加価値の高いツアーができそう」と話した。コーディネートを担った富士山浪漫之旅(沼津市)の朱珠代表理事は「花や文化体験など県東部には中国人が楽しめる資源が多い」と優位性を語る。
 熱海市によると、コロナ禍前の宿泊者数に占める外国人の割合は約1%。日本人客の先細りが予想される中、中国人をはじめ外国人客の取り込みを重視。2012年に観光交流協定を結んだ御殿場、伊豆の両市と初めて共同事業に乗り出した。国際会議の誘致を図るビューローは各市と連動し、エクスカーション(視察旅行)の充実をアピール材料の一つにする考え。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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