水道使用、午前5時台増 湖西市実証実験「行動変化の可能性」

 湖西市はこのほど、昨年6月16日から10月15日にかけて水道スマートメーターを先行導入した同市知波田、入出地区で行った上水道の時間帯別料金制(オフピーク制)の実証実験について、結果の速報値をまとめた。期間中、従量料金を午後11時~午前6時に6割引き、午前10時~午後6時に2割引きとしたところ、午前5時台に水道使用量の割合が前後の時期や前年より増える傾向が確認され、市は「使用者の意識や行動に変化があった可能性がある」とした。15日の市水道事業経営審議会で報告した。

湖西市が実施した実証実験の結果(速報値)
湖西市が実施した実証実験の結果(速報値)

 期間中の総配水量を1時間ごとの平均値で前年同期と比較したところ、全体的に配水量が前年より減少した中、料金が割り引かれた午前5時台、午後3時台、午後11時台のみ今年の配水量が上回った。市はさらに、1日の配水量に対する各時間帯の使用量の割合を前年や実験期間の前後と比較。午前5時台の使用割合が、実験期間中に前年より増加する傾向が見られた。
 また、対象地域の利用者(1826件)へのアンケートでは、回答者580人の中で「実証実験を知っていた」と答えた450件のうちの48%が、期間中に水道使用時間を変更しようとしたと回答した。使用時間を変更した行動は「洗濯」が45%、「入浴」が28%など(複数回答)。市は洗濯機の予約機能の活用や入浴時間の変更などで、水道使用量に変化が生じた可能性があるとみている。
 市は今後、実験に協力する研究機関と共に、気象の影響などを考慮した詳細な分析を行う。2027年度以降の新たな水道料金体系の導入に向け、長期間の実証実験も検討している。
 (湖西支局・杉崎素子)

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